極上のバラード「十年先のラブストーリー」
皆さん、暑い夏をいかがお過ごしでしょうか?
砂浜で肌を焼いたりプールではしゃいだり、仲間とバーベキューなどなど。
夏は楽しい思い出を作るのに最高の季節です。
そんな夏を一層盛り上げてくれるバンドといえば、お馴染みのTUBE!
今回は彼らが1991年にリリースした楽曲「十年先のラブストーリー」について紹介していきたいと思います。
本作は同年5月に発表したTUBEの11枚目のオリジナルアルバム「湘南」に収録されており、アルバムのトリを飾るナンバーです。
真夏の陽気な雰囲気とは真逆の、センチメンタルでしっとりとした大人の恋の終わりを歌ったバラード。
この歌は、お互い違う道を歩むと決め別れてしまった彼女のことを、いつまでも想い続ける男の気持ちを歌った楽曲です。
イントロからガツンと響くギターサウンド、これだけでもう“水平線に夕日が沈んでいく”情景が目に浮かんできます。
そしてボーカルである前田亘輝の突き刺さるようなハイトーンボイスがとても魅力的♪
TUBEのラブソングって何故こんなにも心を揺さぶりやすいんでしょうかね…。
「あー夏休み」「シーズン・イン・ザ・サン」など、アップテンポなサマーソングが際立っている分、こういった儚いアプローチが余計に胸に沁みます。
収録アルバムについて
フレッシュなサマーソングが目白押し
タイトルが「湘南」というだけあって、聴くだけで夏の香りを感じさせる仕上がりとなっています!
内容に関しても“湘南”や“鎌倉”、“茅ヶ崎”など具体的な地名を盛り込んでいて、賑々しい真夏の海を連想しやすいですね。
発売当時のオリコンチャートも、アルバム通常盤・初回盤共に最高位5位以内に入る売り上げ!
90年代前半といえばTUBE全盛期の時期。このオリコン順位で当時の彼らの注目度や人気の高さを窺い知ることができますね♪
また、このアルバムは2003年7月にレーベル違いのSony Music Associated Recordsにて再販されました(前回はSony Records)。
アルバム収録曲一覧
1:湘南My Love
2:はよつけ鎌倉
3:茅ヶ崎Pipeline
4:泣き濡れてカニと戯るバトルロイヤルビーチ
5:めぐりくるSeason
6:Surf Song
7:ウルトラバイオレットNo.1
8:夏よ走れ
9:葉山でDace All Night
10:Smile and Peace
11:十年先のラブストーリー
出典: 湘南/TUBE
本作のライブ映像も見応えあり♪

ダイナミックな演出は見応え抜群!
YouTubeで公開されているTUBE野外ライブ「TUBE LIVE AROUND SPECIAL 2007 -夏燦舞」の映像です。
映像には収まっておりませんが、花火やバンジージャンプなどの夏らしい大迫力の舞台演出で、ライブ会場は最高の盛り上がりを見せていますよ!
そして、圧倒的歌唱力で観客の心を鷲掴みにしている前田亘輝のパワフルな姿は何回観ても飽きません♪
一番の見所はやっぱり、「十年先のラブストーリー」後半で起こる大噴水!
ステージ上で噴射された大量の水が、舞台のバックに設置してある青いライティングに照らされて物凄く綺麗です!
噴水というよりまるで一つのイルミネーションのようにも思えるから不思議ですね。
そして土砂降りの雨のように降り注ぎ、びしょ濡れになった前田亘輝の感極まったような表情も素敵♪
歌詞を見ていきましょう♪
それでは、未練たっぷりな大人の気持ちを歌った本作の歌詞を解説していきます。
振られて傷心中の人には特に突き刺さるこの曲の中身とは?
去っていった最愛の人を想う
夕暮れに染まるシーサイド
誓った約束は
グラスの氷みたいに
溶けては消えた恋
君の好きなカセットはもう
擦り切れるほど時間は過ぎ
出逢う前よりも恋しくなって
今 想い出に追い越されそうさ
出典: 十年先のラブストーリー/作詞:前田亘輝 作曲:春畑道哉
夕日が眩しい海辺で物語は始まります。
“誓った約束”とは交際をスタートした時に、いつまでも相手の隣にいて愛し続けるということでしょう。
それから年月が経ち、お互い今のままだと幸せになれないと悟り、恋人としての関係に終止符を打つ。
あの頃君に誓った約束も、暑さで溶けて無くなった氷のようになってしまった。
歌の中では破局に至った理由などに触れていませんが、仕事の忙しさやすれ違いで、彼氏に対する彼女の愛が薄らいでしまったのでしょう。
未練たらたらな男性の視点で歌は語られているので、振ったのは女性からだと思います。
愛していた彼女がよく聴いていたカセットテープ。それが擦り切れてしまうほど時間が経過してしまった。
一度はこれからのお互いの人生のためにと別れを決意したけど、今では出逢う前の恋心よりも重い気持ちでいっぱい。
それほど“君”と過ごした日々や積み重ねてきた思い出は、僕にとってかけがえのないものだったんだなと改めて思い知らされたよ。