TUBE初の紅白出場がこの曲!
1980年代半ばから現在に至るまで「夏の帝王」として君臨しているTUBE。
彼らが1993年5月にシングルリリースし、同年暮れにNHK紅白歌合戦初出場を果たして熱唱したのが、この「夏を待ちきれなくて」です。
すでに「あー夏休み」他、数多くの大ヒットを飛ばしていた彼らなので、これが紅白初出場とはちょっと意外!
そしてこれもまた意外なことに、TUBEにとって初のオリコンチャート1位獲得曲でもあるのです。
この曲は、月曜~木曜の19時から帯バラエティ番組として放映された『ムーブ』のエンディングテーマとして使用されていました。
1週間のうち4日はお茶の間にこの曲が流れていたのですから、老若男女問わず、多くの人が知ることになるわけです。
こういったことが重なって、初紅白に繋がったのかもしれませんね。
ちなみに、紅白で対戦した紅組の相手は、演歌歌手の伍代夏子さんでした。
夏なのに夏じゃない!?
シングル発売は5月
「夏を待ちきれなくて」がリリースされたのは、1993年5月12日です。
「あれ? 夏の帝王が、タイトルの通り夏を待ちきれずに発売しちゃった?」
いえいえ、この時期のリリースだから意味がある、と言える内容の歌詞なのです。
この曲を聴いてから夏に飛び込み、夏を見送った後に再び聴くと、その内容がよりいっそう心に沁みるのではないでしょうか。
賭けた想いが、どんな結末を迎えたとしても…。
ワクワクドキドキの夏待ち曲?
「待ちきれないほど、夏に期待をしているタイトルだもの。きっとワクワクドキドキにあふれた曲のはず…あれれ?」
この曲を初めて聴く皆さんの多くは、こんな感想をお持ちになるのではないでしょうか。
曲調はスローバラードではないけれど切なげだし、どうも上手くいっていない二人のことを語っている歌詞のようです。
では、実際に動画でお聴きください!
灼熱のライブ動画!
夏の暮れ行く空と熱気あふれる大観衆の対比。
そんな中、ボーカルの前田亘輝が朗々と、しかし切なく歌い上げるこの曲に、暫し浸ってみてくださいね。

2010年8月21日 横浜スタジアム
ここ横浜スタジアムの最大収容人数は3万人。それが超満員なのですから、TUBEの人気の凄さがよく分かりますね!
画面からもこの日のライブの熱さがビンビンに感じ取れると思います。
そんな中でも、この曲の持つ哀愁や夏への感傷がしみじみと伝わるのは、彼らの実力の成せる業でしょう。
失いつつある恋が人を成長させる…そんな歌詞を徹底分析
では、歌詞を読みながら詳しく分析していくことにします。
上手くいかない恋にお悩みの方にとっては、もしかすると背中を押してくれる歌詞かもしれませんよ。
八方ふさがりの恋…
I love you さえ言えなくて
思い出には出来なくて
無理をして 輝いていた
この胸の yesterday
出典: 夏を待ちきれなくて/作詞:前田亘輝 作曲:春畑道哉
出だしからいきなり、重い内容を示唆する言葉が並んでいますね。
イントロの後、歌い出しにサビを持ってくる「頭サビ」なので、演奏を聴くと余計に切羽詰まった感じを受けます。
とはいえ、言葉の選び方はちょっと遠回しなので、自分の心と真正面から対峙するのはまだ怖いのかもしれません。
八方ふさがりの中、過去の煌めく思い出だけにすがっていた自分の情けなさ。
それを自覚するのは、なかなか辛いことです。
夏が自分を変えてくれる?
波音が騒げば やがて夏の合図
涙は似合わぬ季節
きっと 素直になれる
許せる気がする
冬を越せぬ恋にゃ say good bye
出典: 夏を待ちきれなくて/作詞:前田亘輝 作曲:春畑道哉