カップスター45周年企画「食べたその日から by Creepy Nuts」

Creepy Nuts【食べたその日から by Creepy Nuts】MVの意味を徹底解説!の画像

1975年に誕生したサッポロ一番「カップスター」(サンヨー食品)は2020年に45周年を迎えました。

スペシャル企画として公式YouTubeに公開されたMVが「食べたその日から by Creepy Nuts」。

定番のCMソング」の続きとして、CM用に書き下ろされた楽曲です。

DJ 松永さんのトラック(曲)に乗っかる、R-指定さんのリリック(歌詞)。

「おなじみのCMソング」は明るく楽しい雰囲気でカップスターを食べた瞬間から魅力にハマったという内容です。

ところが「その続き」というMVは何とも妖しげな気配で満たされています。

カップスターを食べ続けてきたCreepy Nutsの2人はいったいどうなってしまったのでしょうか。

さらにCMキャラクターとして乃木坂46齋藤飛鳥さん、白石麻衣さん、遠藤さくらさんも登場。

見どころ満載のMVを解説します。

MVを見てみよう!

乃木坂46→Creepy Nuts

まずはMV全体の流れを把握。

最初に「定番CMソング」の歌とダンスを披露するのは乃木坂46の3人です。

カップスターを食べたり、巨大なカップスターのセットに座って踊ったり。

明るいスタジオで楽しくCMを撮影しているような映像から始まります。

しかし「定番CMソング」の最後で3人がポーズを決めると、起きる異変

照明がチカチカ点滅して暗くなりカップスターのロゴマークが揺らぎます。

サウンドも陽気な曲調から一転サスペンスやホラーっぽいダークさ全開に。

同時に、深夜の飲食店街のような場面に切り替わります。

道幅が狭く、小さなお店が所狭しと立ち並んでいる模様です。

そんな路地のど真ん中でラップとDJプレイを始めるCreepy Nutsの2人。

DJ 松永さんが歩き出すと、R-指定さんもターンテーブルを離れます。

Creepy Nuts→乃木坂46

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Creepy Nutsの2人はひとしきり飲食店街の狭い通りを闊歩します。

そして「サッポロ一番」のお店の前で食べ始めるのがカップスター

そのうち明るい「定番CMソング」がどこからともなく流れてきます。

音をたどると、お店の中にあるテレビ乃木坂46の3人が歌い踊るCMが流れていたというオチ。

それを見たCreepy Nutsの2人が何ともいえない表情を浮かべたまま、MVは終わります。

映像としては「フリ→フリ→ボケ」の三段落ちです。

Creepy Nutsによる本編「その後ソング」を「定番ソング」がはさみ打ち。

サンドイッチ状態になっていることで、CMを見る側から出演する側へと視点が移る点が強調されます。

要するに三部構成になっていることがわかりました。

続いて、Creepy Nutsの2人と乃木坂46の3人、登場人物それぞれに注目しつつMVを解説していきます。

R-指定に注目!

手の動きや背景も見どころ

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「カップスター」の提灯や電飾看板、ネオンが妖しく光る、暗い飲食店街。

グレーパーカー姿のR-指定さんは店先に座り、DJ 松永さんのプレイに合わせてラップを始めます。

ここではリリックやフロー(節回し)とシンクロした手の動きが見どころ。

そのうち立ち上がり、ターンテーブルの前で全身を使って表現し始めます。

ころころ切り替わるカメラワークと相まって、醸し出されるのは浮遊感

どアップになるまでカメラに顔を近づけたタイミングで、DJ 松永さんがターンテーブルを離れます。

R-指定さんを先頭に歩き始める2人。

その背景に映し出される飲食店街のセットにも小ネタが満載です。

乃木坂46の3人が微笑むカップスターのロゴマークが無数に並んでいます。

中華そば「五味三分」の看板は、5種類の味があり3分で出来上がるカップスターのこと。

あるいは5月3日の憲法記念日を表しているのでは?といった謎の深読みも話題になりました。

この続きはDJ松永さんの動きと併せて後ほど見ていきましょう。

その前にR-指定さんのリリックについても軽く触れておきます。

リリックの聴きどころ

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食べたその日から 月日流れ今‬
‪晴れた曇り空 沸かすこのフロア‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬
‪食べたその日から 湧いたこの力‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬
‪冷めた他人の目すら 沸かすフロー‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬

出典: 食べたその日から by Creepy Nuts/作詞:R-指定 作曲: DJ松永

リリックは全編にわたって韻を踏みまくっている点が聴きどころです。

つまり全部!

その中でも今回は最初と最後の歌詞をピックアップしました。

まず冒頭の曲名の部分が「1、2、3」のリズムを刻むフロー(節回し)になっています。

その後も同じリズムが繰り返されることによって生まれているのがグルーヴ(ノリ)。

しかもライム(韻を踏むこと)をふんだんに盛り込みつつ、微妙なずらしも混ざっています。

そのうえお湯を沸騰させてカップスターを食べ続け、ラップでお客さんを楽しませることができるようになった。

それはこの節回しによるもの、といったストーリーが展開されています。

客沸かし、湯沸かし、夜明かし
ふやかし、ひやかしの類いも
分からし
客沸かし、湯沸かし、夜明かし
ここに記す足跡俺の居た証

出典: 食べたその日から by Creepy Nuts/作詞:R-指定 作曲: DJ松永

ラストの歌詞の最後の行では、カップスターが即席ラーメンであることに引っかけたオチが披露されています。

45周年という長い歴史をもつカップスターと、Creepy Nutsの音楽活動。

両者が絶妙にシンクロしているところがコラボならではの醍醐味です。

そんなR-指定さんの相棒、DJ松永さんの動きも見ていきましょう。