奇抜!なタイトルとコスチューム
アヴァンギャルド!なジャケット写真
hitomiの「SAMURAI DRIVE」は、2002年1月にリリースされました。
1990年代後半にブレイクを果たし、数々のヒット曲を放っていた彼女。
「SAMURAI DRIVE」は、23番目のシングル曲です。
絶好調のセールスを記録した6thアルバム「huma-rhythm」に収録されています。
「SAMURAI」、そして「DRIVE」。
文字通り、勇ましいタイトルですが、活発でボーイッシュなhitomiのイメージにハマりました。
CDのジャケット写真も、話題を呼びます。
スレンダーなヘソ出しボディーに羽織ったのは、ド派手な着物風コスチューム。
ワイルドなサングラスと、日本刀を突き刺したようなヘア・アクセサリーもド派手です。
極めつけは、クールな表情でキメた彼女が立っている場所。
何と、宇宙空間。はるか彼方の星の上です。
どんなに奇抜なコーディネイト、シチュエーションも、自分のカラーに染めてしまうのが彼女のスタイル。
「huma-rhythm」のジャケット写真からも、そんな信念が伝わってきます。
自分のスタイルを貫くhitomiは、当時の女の子たちにとって憧れの的でした。
新たなミレニアムの始まりにふさわしい強さと斬新さ。
その両方を体現して見せた彼女は、まさに時代の申し子だったと言えます。
サウンドは豪快なロック
シンガー・hitomiの実力を発揮
ジャケット写真と同様、サウンドでもhitomiらしさが存分に発揮されています。
アメリカン・ロックを思わせる重厚なギターが、力強いリフを刻むイントロ。
切れ味も鋭いリフのストロークと一体化したドラムが響くと、Aメロに突入します。
拡声器を通したようなエフェクト加工が施された彼女の声は、嵐の前の静けさを予感させる雰囲気。
Bメロは、一気に突き抜けるような高音パートも余裕でクリア!
美しさと奇抜さで目を引くヴィジュアルだけではなく、シンガーとしての実力も証明します。
心地良い8ビートが続くサビは、J-POPの王道を感じさせるキャッチーなメロディー。
テンポが目まぐるしく変わる曲ですが、「DRIVE」感あふれるパワフルなアレンジは一貫しています。
尽きない声量を発揮しながら、メロディーと歌詞に合わせて抑揚を使い分けているのもGOOD。
機会があれば、ぜひカラオケで歌ってみてください。
待っているのは、とてつもない開放感。爽快な気分になること請け合いです!
躍動するPV映像
ビジュアルの魅力全開!
シンガー!?それともモデル!?
hitomiが出演する「SAMURAI DRIVE」のPVを見ていると、そんな驚きに包まれます。
単に、ジャケと写真で見せた着物風のコスチュームを再現しているだけではありません。
エレキギターをカッコよくかき鳴らしたり、真っ白なカウボーイ・ハットを被って歌ってみたり。
スター・ウォーズのライトセイバーのように光る刀を構える姿は、まさに「SAMURAI」です。
どのシーンもキッチュさが感じられ、日本人離れした美しさです。
これほどのビジュアルと歌唱力を併せ持つシンガーは、今も昔もなかなか見当たりません。
15年以上を経た今も、PVの鮮烈な映像は古めかしさを感じさせないクオリティーです。
実はカバー曲だった
インディーズ・バンドの作品
オリジナルの「SAMURAI DRIVE」は、2001年5月にリリースされています。
オリジナルは男性4人組バンド「CUNE(キューン)」(現在は「cune」)の曲です。
インディーズのデビューを飾ったシングル「星をみてれば」のカップリング曲でした。
彼らがメジャー・デビューを果たしたのは、それから1年後のこと。
つまりhitomiがカバーした時点で、彼らはまだ非メジャーな存在だったというわけです。
「無名の新人」の曲を売れっ子アーティストが歌うのは異例でしたが、効果は絶大でした。
それは、「CUNE」の知名度を高めただけではありません。
hitomi自身のキャリアにも、新たな代表曲が加わることになります。
成功の要因は、原曲のクオリティーを落とすことなく、オリジナリティーを表現できたこと。
そして、それが多くのリスナーに受け入れられたこと。
カバー曲を歌いこなすというのは、実はとても難しいことなのです。
原曲もハイクオリティー
インディーズ・バンドの作品とはいえ、原曲も高い完成度に仕上がっています。
ハードなロック・テイストのhitomiバージョンと異なり、80年代ビート・ロック風のシンプルなサウンド。
安定感のあるリズムに支えられた、駆け抜けるようなメロディー・ラインを聴かせます。