決意する僕の反撃のストーリー
黙っていたんだ 否定されて怖くて迷った
僕の反撃ストーリー 今に見てろほら
出典: impulse/作詞:AYAME 作曲:EREN
幾度となく主人公は心の中で自問自答を繰り返します。
その末に辿り着いた結論、その原因は自身の心の弱さにあったのです。
「エネルギー等価の法則」に従えば主人公の内面に溜め込まれた鬱屈は相当な質量になっています。
主人公の「破壊衝動」はすでに暴発寸前なのです。
その反撃の狼煙はいつになれば上げることができるのでしょう?
君にもらった勇気
腐った世界で 闘い続ける君がいたんだ
不安で 不安で 情けない僕がまだここに
出典: impulse/作詞:AYAME 作曲:EREN
『impulse』の2番で歌われるのは主人公の挫折の物語です。
大人の世界に対抗するにはまだ何かが足りなかったのでしょう。
主人公にはどうしたら「衝動」のエネルギーを解き放つことができるのかが分からないのです。
逡巡する主人公の目の前には傷つきながらも闘争を止めない仲間の姿がありました。
主人公はその時になり、ようやく気が付いたのです。
自分に足りないものが勇気だということに...。
大人の言葉が持つ絶対的な呪い
「結果が全て、この世界は」
周りの大人はこう言うんだ
僕にだってできることだって
不安投げ捨て 見せつけろ
出典: impulse/作詞:AYAME 作曲:EREN
子どもにとって大人の放つ言葉は絶対的な力を持ちます。
時にそれらの言葉は「呪い」として心の奥深くに刻み込まれてしまうのです。
これまで抑圧に屈することしかできなかった主人公は勇敢な仲間の姿から大切なことを学びます。
それは失敗を恐れずに行動に移すこと。
そして自分の思考で人生の道筋を立てることです。
あの頃とは違う僕の姿
弱い僕が「強くなりたい」と願うんだ
僕が僕を1番きらいだ
2つの顔が行き来していた
「変わりたい」吐き捨てた
弱い僕が 叫んでいた
出典: impulse/作詞:AYAME 作曲:EREN
仲間の勇敢な姿から学んだことは他にもありました。
自身を抑圧していたのは周囲の大人ではなく自身の弱い心だったのです。
「衝動」や「欲望」に揺れ動く心理状態を表す時にしばしば用いられる「天使と悪魔の囁き」。
天使は自身の良心の、そして悪魔は弱い心の象徴です。
しかし長い間自身の心を抑圧してきたことで主人公の中で天使と悪魔の力関係は逆転してしまいました。
「強くなりたい」と願うのは主人公の良心、つまり弱体化してしまった天使の心なのです。
バカにしないで強くなるんだ
今ならすぐに戦える
あの時の僕はいない
譲れない 今の僕は
出典: impulse/作詞:AYAME 作曲:EREN
主人公は自身の内面と真摯に向き合うことで抑圧から解放されることができたのでしょう。
『impulse』の歌詞は終わりが近づくにつれ、より力強い言葉で埋め尽くされていきます。
大嫌いだった弱い心を受け入れることで「通過儀礼」を終え成長を遂げたのです。
内面の抑圧を無意識に周囲の大人のせいにしていた過去の自分はもうそこにはいません。