僕の全てが交差する
僕の全てが時に交差していくように
見えない糸紡ぎ
意思を失くしたままの線に手をかざした
There is no limit to your choice
出典: UNLIMITED/作詞:篤志, minami rumi 作曲:篤志
過去の記憶を受け入れる覚悟を決めた“僕”は優しく語りかけます。
“君の選択にはどんな制限もないんだよ”
ここで過去・現在・未来の“僕”が1つの線で結ばれたのです。
過去を受け入れ未来への1歩を踏み出す勇気を手にした主人公。
“僕”の成長の物語はここから大きく動き始めます。
何を犠牲に生きたらいいの?
痛みを受け入れたとき思うのは「生きたい」という願い
鼓動の理由すら切なく
何を犠牲に生きたらいい?
幻だけに縋るこの目から
見えたのは無間の枷
出典: UNLIMITED/作詞:篤志, minami rumi 作曲:篤志
何か1つを選ぶということはその他のものを切り捨てるということです。
頭では理解していても感情が邪魔をしてそのことを受け入れることは容易ではありません。
混乱した思考で主人公は再び強大な闇に飲み込まれそうになるのです。
しかし主人公は自分の心に2行目の歌詞のように問いかけています。
ここで逆説的問われる内容は「何を切り捨ててでも生きたい」という願いです。
どんな未来が待っていようと後悔はしない
もしも全てが色を失くし思い馳せた
誓いも朽ちるなら
もう諦めたはずの祈りが果てに飲まれて
君の全てが時に交差していくように
見えない影を追って
この結末が僕を受け入れられるなら
There is no limit to your choice
出典: UNLIMITED/作詞:篤志, minami rumi 作曲:篤志
3回目に訪れたサビ、混沌の世界を抜け出した先に待っていたのは色のない世界の果てでした。
辺りを静寂が包み込んでいます。
「ただ生きたい」という願いを胸に抱いた主人公に何が起こったのでしょう?
歌詞だけを読むとネガティブな意味に捉えてしまう方もいると思います。
しかし藍井エイルの歌声から感じられるのは晴れやかで力強い覚悟の気持ちです。
そして再び過去・現在・未来が1つの線で結ばれます。
この結末が僕を受け入れられるなら
There is no limit to your choice
出典: UNLIMITED/作詞:篤志, minami rumi 作曲:篤志
“君の選択にはどんな制限もないんだよ”
最後に言葉を発した時、過去・現在・未来の主人公は1つになっています。
過去の傷を受け入れ、現在を生き抜くための未来への希望に満ちたメッセージなのです。
最後のサビで主人公は全ての時間軸の“僕”に向けて語りかけています。
『UNLIMITED』は1人の人間の挫折から成長を描いた極めてパーソナルな作品だといえるでしょう。
だからこそこの曲を聴いた多くの方は自身の内面に重ね合わせることができるのです。
人生に無駄な経験などありません。
むしろ様々なトライ&エラーを繰り返すことでしか人は成長することはできないのですから...。
最後に
今回は藍井エイルの『UNLIMITED』について解説させていただきました。
孤独、絶望といった負の感情を受け入れることで未来への無限の可能性を高らかに歌い上げた本作。
将来への不安に心を支配されてしまう瞬間は誰にでも訪れます。
そんな時に『UNLIMITED』はきっと皆さまの心のサプリメントとして優しく癒してくれることでしょう。