やっぱりずっとここに居たいのが素直な気持ち。 大切な人がいる、大切な場所。
そう思いながらも「行かなくちゃ」いけない。 その気持ちに気づいたら、なんだか涙が溢れてきた。
でも、笑わなくちゃね。
1番のサビでは「泣きそうで…」の部分がここでは「泣きながら…」に変化しています。
懸命に涙をこらえていたけれど、一緒に過ごした場所や時間、ひとつひとつの思い出が胸の中を駆け抜けます。
そんな大切な景色が涙とともに一気に溢れてきたのではいでしょうか。
「ずっとここに居たい。」 「行かなくちゃ。」
正反対に感じるふたつの気持ちはどちらも「アタシ」にとっては本当の気持ちなんです。
諦められない夢がある。離れたくない人や場所がある。
乗り越えなくてはいけないふたつの気持ちの間にいる時が一番辛かったりします。
しかしいつかそれはとても幸せなことなんだということにきっと気づく日が来るのではないでしょうか。
決して負けることなくそして、かけがえのない時間を一緒に過ごしたあの場所のように自分らしくいれば。
握手した手のひら、ハグした時に感じた温かい体温。 そんな温かさが抑えていた気持ちを溶かしていったのです。
そしてきっと、キミのその温かさが嬉しくて愛しくて、泣きながらも笑顔になったのでしょう。
同じ場所のはずなのに、違って見えるいつもの景色
ホームから見てた
さっきまで 一緒に過ごしてきた街…
出典: ハルラブ/作詞:Maiko、Hami 作曲:イワツボコーダイ
ホームから見ていたのは、「アタシ」「キミ」どちらなのでしょうか?
見る人や気持ちによって、同じ景色でも全く違うものに見えることがあります。
さっきまでアタシが居た街。だけど、明日からはこの街にはアタシは居ない。
さっきまでキミが居た街。だけど明日からこの街にはキミは居ない。
どちらが見ていた景色でも、この歌詞には当てはめることができるのではないでしょうか。
ふたりが見えていた景色はきっと同じようなものなのです。
ふたりがそんな景色を観て感じた気持ちは、【やっぱり寂しい…。】このひとつです。
ホームを桜吹雪ともに暖かい春風がそんな寂しさを乗せて吹き抜ける…。
そんな景色がこのわずかな2行から見えてきます。
見送る人の気持ちが詰められている、いくつもの『ガンバレ』。
前に進もうとしている人を励ますとき、見送るとき、「がんばれ」以外の言葉が見つからないことがあります。
見たことのない世界に踏み出そうとしている人に元気をあげたくて、でもどう言ってあげたらいいのか分からない。
相手のことを大切に思えば思うほど、気持ちをうまく言葉にするのは難しいものです。
だから「キミ」は言葉にできない気持ちをたくさんの「ガンバレ」に詰め込んだのでしょう。
「さよなら」じゃなくて、「行ってくるね」
キミが最後にくれた
下手っぴな字の手紙を読んでたらさ、
涙が止まんなくなったんだ。
何回も続く 『ガンバレ』の文字がなんかキミらしくて。
離れても忘れないよ。
「ありがとう。行ってくるね」
出典: ハルラブ/作詞:Maiko、Hami 作曲:イワツボコーダイ
「キミ」は本当は「アタシ」に行って欲しくなかった。 できればずっと居て欲しかった。
もしかしたらそんな気持ちに「アタシ」は気づきながらも気づかないフリをしてきたのではないでしょうか。
「キミ」がくれたたくさんの「ガンバレ」を見て、「キミ」も同じように寂しいし不安なんだと確信したのです。
「キミ」の本当の気持ちをや優しさがいっぱいの手紙を読んで…。
「アタシ」は心から「ありがとう」と「行ってきます」を心の中で言えたのでしょう。
前に進むことは、時に大切な人との別れを伴うこともあります。
でもそれは「さようなら」ではなく「行ってきます」。
「キミ」の「ガンバレ」で初めて「アタシ」は本当の意味で前に進むことができる…。そう思ったのでしょう。
「キミ」との別れは決して悲しいものではない、悲しいものにはならないはず…! と気づくことができたのです。
どちらの目線で書かれた歌詞?「キミ」「アタシ」両方で共感できる!
歌詞を細かく読み解いてみると、読めば読むほど、聴けば聴くほど様々な目線からの景色が見えてきます。
曲中の「キミ」にも「アタシ」にも重ね合わせる事ができるんです。
フレーズによって、旅立つ人が「キミ」になったり見送る人が「アタシ」になったりも。
卒業・結婚・進学・就職・転職…人生の様々な場面で旅立ちや旅立つ人を見送った経験は誰しも1度はあります。
その時に感じた気持ちや見えていた景色をリアルに思い出すと、何とも言えない切ない気持ちになるものです。
『ハルラブ』はそんな懐かしいあの頃の「キミ」「アタシ」どちらにも共感できる曲なのではないでしょうか。
結局曲中の登場人物は恋人?それとも親友?それとも…?MVではやはり
それでは、もともとこの曲の登場人物ふたりの関係は本来どのような設定で描かれたのでしょうか?
歌詞だけを読むと、そして耳で聴くだけだと様々な関係が想像できます。
映像としてのMVを観てみると、やはりタイトルに含まれている「ラブ」がキーワードとなる設定のようです。
MVもかなり泣けます!ハンカチのご用意を!
温かさと寂しさが入り混じる、そんなMV
やはりふたりは遠距離恋愛をこれから始める恋人という設定でした。
「アタシ」が旅立つ人で「キミ」が見送る人でしたね。
前に進むための別れはふたりにとってはとっても寂しいし、不安なものです。
でもなんだかとっても”寂しいけれど、あったかい”そんな気持ちになる素敵なMVですね。
号泣必至の「ハルラブ」。そして物語は続いていく
「ハルラブ」には実は続編があります。
前に進む決意をし上京した彼女と、故郷で恋人を遠くから応援する彼。
少し大人になったふたりのその後を描いたMVをご紹介します。