星野源初期の名曲【くせのうた】
『普通の1人の男』の等身大の歌詞が魅力!
今や押しも押されぬ国民的アーティストとなった星野源。
【SUN】【恋】【アイデア】などの人気ドラマ主題歌で彼を知った、という方もきっと多いでしょう。
しかし彼の一番の魅力である、等身大の生活や想いを歌う歌詞は実は昔からまったく変わっていません。
そんな彼の楽曲の中でも、初期の頃から多くのファンの心を掴んできた楽曲。
それが、今回ご紹介する【くせのうた】です。
この楽曲で歌われる、自分が想いを寄せる人への気持ちはまさに等身大の言葉で綴られています。
きっと誰しもが、こんな風に誰かを想ったことがあるはず。
あなたにとって、「癖」を知りたいと思える人はどんな人ですか?
暖かい気持ちになる…楽曲MVはこちら♪
歌詞解説の前に、ぜひ楽曲と共にMVをご覧頂ければと思います。
10年近く前の映像にも関わらず、今とほとんど変わらない彼の姿にも驚かされます。
ところどころに差し込まれるユニークな落書きも彼らしくてお茶目ですね。
わざと荒く加工された映像に、懐かしさやノスタルジックな気持ちを抱く方もきっと多いことでしょう。
早速歌詞を見ていこう!
それでは、ここから歌詞の内容を紐解いていきましょう。
「癖」を知りたいと思う人…それはつまり、あなたがどう思っている人なのでしょうか。
「君」だから、聞きたいんだ
君の癖を知りたいが ひかれそうで悩むのだ
昨日苛立ち汗かいた その話を聞きたいな
出典: くせのうた/作詞:星野源 作曲:星野源
君のことをもっと知りたい、と思っている自分がいる。
いつしか、自分のそんな気持ちに気づいてしまったのでしょう。
誰かのことをもっと知りたいと思う時、それは性別を問わず相手を好ましいと思っている時に他なりません。
また相手の好きなものや嫌いなものだけではなく、「癖」まで知りたいと思う。
恥ずかしい時に鼻を掻いたり、夢中な時に唇を噛んだり、嘘を付くときに目が泳いだり…。
生半可な関係の相手に対して、そこまで知りたいと思う人は少ないのではないでしょうか。
この歌の登場人物にとって癖を知りたいと思う君の存在は、きっととても大切に想いたい人なのでしょう。
「ひかれそう」という言葉をひらがなで表記しているのもポイントです。
この言葉は、『惹かれそう』と『引かれそう』のダブルミーニングになっているのではないかと思います。
今でも十分君を好ましく思っているけれど、癖を知ってしまうともっと惹かれてしまうのではないか。
あるいは癖を知りたいと君に伝えてしまうと、君には少し引かれるかもしれない…。
そんな君への想いを抱えた人物の葛藤が垣間見えるような一言となっています。
親友と呼べるような存在、あるいは想いを寄せている人や大事に想っている人。
赤の他人や普通の友人と、自分にとって大切な存在となる人の差ってなんでしょう。
それは、相手の嬉しい話や楽しい話だけではなく、怒った話や悔しかった話、悲しい話や辛い話。
マイナスな話でも、いやマイナスな話こそ、きちんと受け止めたくなる。
それこそが、相手を大切に想っているかどうかの差なのではないでしょうか。
「君」と僕は違う、だからこそ
同じような顔をしてる 同じような背や声がある
知りたいと思うには 全部違うと知ることだ
出典: くせのうた/作詞:星野源 作曲:星野源
君と似たような顔の人も、同じような背格好の人も、この世界にはたくさんいるかもしれません。
けれど僕は、目の前にいる「君」のことが知りたいんです。
君の話だからこそ、聞きたいと思うのです。
でももしかしたら君が悲しいと思うことが、僕は悲しいと思えないかもしれない。
君が楽しいと思うことが、僕は楽しいと思えないかもしれない。
それでもかまわないのです。だからこそ、「君」のことが知りたいのです。
自分にとって大切な存在である君が何を考え、何を感じ、何で喜び、何で悲しむのか。
僕に教えて欲しいと、そう思うのです。