三番目の風になろう
今までとは違う向きに吹き抜けろ!
まだどこにも見たことない新しい空 切り拓け!
僕たちは恐れてない
希望の使命は
そう 光を作ることさ
自分たちで真っ暗な未来をこじ開けろ!
出典: 三番目の風/作詞:秋元康 作曲:丸谷マナブ
いままで、暗くてジメジメとしたものを連想させてきた「森」に吹いた「風」。
とても爽やかな感覚をおぼえます。
この風は、きっと速くてサッと吹き抜けるような勢い。
けっして「生暖かくてソヨソヨ」としたものではないでしょう。
そして「三番目」が意味するものはもうお分かりかと思います。
それはずばり「3期生」ということです。
もちろん、それまで1期生・2期生が築き上げてきたものを真っ向から否定するものではありません。
風という「流体」がもつ、どんな形にも変えられる性質。
また、空気という「気体」がもつ、どんなところへも行き渡るという性質。
さらには「暖められた空気の持つ軽やかさ」という感覚もここから読み取ることができます。
上に向かって吹く風は、あっという間に森を抜け、上空へ達することでしょう。
そこから見渡す森は、前に進もうともがいていた場所とはまったく違った景色のはず。
この風のように「困難を軽やかに飛び越えて欲しい」という願いがこの歌詞に込められています。
続いて2番の歌詞
日陰に咲く花
WOW…
ああ ひっそりと日陰に咲く花の (花の) 名を知らない
ああ でもいつかは 誰かの目にも留(と)まって欲しい
出典: 三番目の風/作詞:秋元康 作曲:丸谷マナブ
舞台は再び森の中。
道を開きながら、主人公はふと目を向けます。
そこに咲いていたのは名も知らぬ花。
「こんなところにも花は咲くんだ」とちょっとした驚きを感じつつ、その美しさにこう思うのです。
「森の中で埋もれているなんて…」
もっと世に知られても良いのに、と思ったわけですね。
これはまだ、世間にそれほど知られていなかった「3期生」そのものを象徴しているとも読めます。
まだデビューしたてだった彼女たちの持つ輝きを、いつかは気が付いて欲しいのです。
置かれた場所で咲く
環境に (環境に) 恵まれなくてその不運恨むより
チャンスを待とう
友は信じられるか?
ずっとそばにいるか?
出典: 三番目の風/作詞:秋元康 作曲:丸谷マナブ
花は自分で咲く場所を選べません。
様々な理由により、そこで芽を出す運命だったのです。
たとえその場所がが鬱蒼とした森の中だとしても、花は一所懸命に咲き、子孫をつなぎます。
そしてその子孫達が、もっと輝ける場所で咲くことを願いながら待つのです。
この健気な花の様子を自分の境遇に重ね合わせる主人公。
傍らにいる仲間はどんな姿をしているでしょうか。
「もしかしたら、自分より先に…」なんて疑ってしまうこともあるかもしれません。
「宇宙」という壮大な空間
どんな時でも太陽がある宇宙 (宇宙)
遠い願いを邪魔する雲はすぐに追い払え!
出典: 三番目の風/作詞:秋元康 作曲:丸谷マナブ
たいていの場合、お日様があるのは「空」なのですがここでは「宇宙」が使われています。
それだけ、壮大さ、あるいは普遍的な意味を持たせたかったのかもしれません。
そして、陽の光を遮る「雲」を追い払うのに必要なのは、そう「風」ですね。
「先輩を気にするな」というメッセージ
三番目の風を起こせ!
経験とか過去のデータ関係ない
観測史上 最大風速 初めての存在になろう
僕たちは挑戦する
一人じゃ無理でも
さあ 力を合わせるんだ
息を吐いて この森全体を吹き飛ばせ!
WOW…
出典: 三番目の風/作詞:秋元康 作曲:丸谷マナブ
ここでも「3期生」を意識した歌詞になっています。
いうなれば「先輩達のやってきたこと、足跡など気にするな」ということでしょうか。
確かに、アイドルを目指すきっかけとなった憧れの存在が同じグループにいる場合もあるでしょう。
そしてその先輩達が、どんな苦労を重ねていまの地位にいるのかも理解しています。
そんな人達を前に「きっと自分なんて」と萎縮してしまうことは大いにあり得ます。
それをあえて気にせず「自分たちが新時代を築き上げるのだ」という力強いエールがこの歌詞なのです。
しかし「そんなことを言われても」と二の足を踏む気持ちに打ち勝つために必要なのは「仲間」。
これから活動していく「芸能界という森」に対する不安を、仲間と共になら吹き飛ばせます。