ユキちゃんの娘がまだ幼い「赤ん坊」である事と、男性が愛する女性を表現する際に用いる「ベイビー」を掛けていますね。
常識的に考えると明らかに危険な事を明るい音楽に乗せて歌う事で、そのヤバさに拍車がかかっています。
主人公は自分が恋をしている相手がまだ赤ちゃんであるという事をちゃんと認識しているようですね。
しかしそれがおかしな事であるという事には全く気が付いていないようです。
主人公が純粋すぎるのか、あまりにもぶっ飛んでいて正常な思考が出来ない人物なのか。
どちらにせよ聞いているこちらとしてはユキちゃんとその娘さんがとても心配になる内容ですね。
ユキちゃんはとんでもない男に好意を寄せられてしまったようです。
ずっと見ている
触れられない相手
名前も知らないけれど
二人きりになれないけど
出典: ユキちゃんの遺伝子/作詞:モーモールルギャバン 作曲:モーモールルギャバン
主人公はあまりユキちゃんの娘に関する情報を知らないようですね。
という事はSNSなどを利用してユキちゃんに子供が出来たのを知ったのではないのでしょう。
ここの歌詞はこの部分だけを抜粋してみれば、名前も知らないどこかの誰かに恋心を寄せる純粋な恋愛のように見えます。
しかし【ユキちゃんの遺伝子】に限ってはその逆で、本当に危ない意味が篭っているのが恐ろしいですね…。
このまま主人公がユキちゃんの娘に干渉する事なく生涯を閉じてもらえないものかと願うばかりです。
時を待つ
君はベイビー
日々はヘビー
十年後はレディー&ハニー
出典: ユキちゃんの遺伝子/作詞:モーモールルギャバン 作曲:モーモールルギャバン
主人公の妄想はさらに膨らみます。
10年経てば彼女を自分のものにしても良いと思っているようです。
どう考えてもまだ早すぎますね。
主人公がユキちゃんの娘を4頭身と表現している事から、この女の子は現時点でまだ2歳程度だと予想出来ます。
10年経ってもまだ12歳です。
子供から大人に変わる瞬間は誰にでもありその感覚は人によって違うものだとは思いますが、あまりにも早すぎます。
彼女に触れられず、2人きりになるチャンスもない事から主人公は日常生活に苦しさを感じている様子です。
あり得ない危険な妄想を繰り広げ、1人一喜一憂する主人公の姿が目に浮かびますね。
ユキちゃんへの想いは本物なのかも知れませんが、明らかに狂気を帯びています。
僕の生きる理由
恐ろしい思い込み
好きなんだ君の声
それだけが生き甲斐だ
必ず迎えに行くよ
白馬の王子は僕だ
だからだから
出典: ユキちゃんの遺伝子/作詞:モーモールルギャバン 作曲:モーモールルギャバン
ユキちゃんの娘と2人きりになる事が出来ず不満そうにしていた主人公ですが、声が好きだと言っています。
この事から恐ろしい事が推測できます。
2人きりにはなれないけど姿を見る事が出来るとはどんな状況でしょうか?
まだ2歳の女の子ですから、1人でお出掛けする事はあり得ません。
家族で何処かへお出掛けしたりお母さん(ユキちゃん)と一緒にスーパーへ行ったりもするでしょう。
主人公はその瞬間を狙ってストーカーをしているのではないでしょうか?
普通ならあり得ない行動ですが、歪んだ感情を抱き続けている主人公ならば十分にあり得ますね。
そしてユキちゃんの娘の姿を見、声を聞く事だけを生きがいにしているようです。
ユキちゃんとその家族はまだこの事に気が付いていないようですが、一刻も早く知らせてあげたい気持ちになります。
恐らくこの生活は主人公が警察に捕まりでもしない限り終わる事はないのでしょうね。
ユキちゃんの娘が12歳になったその時、主人公は今まで心の内に封印していた感情を爆発させ彼女を迎えに行くでしょう。
その瞬間、ユキちゃんやユキちゃんの娘の心には大きな傷が付いてしまうのです。
誰も得をしないあまりにも悲しい恋愛です。
主人公にはどんなきっかけでも良いので早く目を覚まし、普通の恋愛をしてもらいたいものですが…。
誰も望まない結末
可愛い 君をこの手で 抱きしめる
君はベイビー ベイビー ベイビー…
出典: ユキちゃんの遺伝子/作詞:モーモールルギャバン 作曲:モーモールルギャバン
この章では12歳になったユキちゃんの娘を迎えに行った時の主人公が描かれています。
まるで純愛が実ったかのようなハッピーな様子ですが、本当に一方的で歪な恋愛感情です。
ユキちゃんの娘を抱き上げそのままメリーゴーランドの様にグルグルと回る主人公。
主人公の頭の中のユキちゃんの娘は恐らく満面の笑みを浮かべている事だろうと思います。
しかし10年後、実際に行動を起こした時ユキちゃんの娘がその表情をするはずがありません。
初めて見る危ないおじさんに急に抱き上げられる訳ですから、どれだけ恐ろしいことか。
間違いなく一生忘れられないトラウマになってしまう事でしょう。
それでも主人公は普通の思考を持つ人間ではありません。
自分という存在が相手に強く残り続けるなら良いという発想すら持っているかも知れませんね。
恋愛対象がユキちゃんの娘という時点で叶うはずのない恋です。
そんな事など意にも介さず、主人公はこのまま「本当の意味で危ない恋愛」を続けていくのでしょうね。
最後に
如何だったでしょうか?
ずっと想いを寄せていた相手が結婚出産したという理由で手に入らなくなってしまった主人公。
次は自分よりも圧倒的に幼いユキちゃんの娘に想いを寄せ始めました。
ユキちゃんだけを好きなはずの主人公がどうして他の人間に興味を持ったのか?とも思いました。
しかしその理由は驚くべき事に「ユキちゃんの遺伝子を受け継いでいるから」でしたね。
主人公は本当の意味でユキちゃんが大好きなのでしょう。
正に遺伝子レベルでユキちゃんの事を愛しているのですね。
とはいえ、誰がどう見ても主人公は上記を逸した考え方を持っている危険人物です。
どれだけ一方的に相手を想おうと、この恋が叶う事は永遠にないでしょう。
ましてや想いを寄せる相手はまだ2歳です。
流石にまだ幼すぎる事を理解している主人公は10年後に迎えに行くつもりですが、阿鼻叫喚の地獄絵図となる事は必須ですね。
最後まで読んで下さってありがとうございました。
恋愛に関する他曲の考察記事のリンクを掲載させて頂きますので、そちらも併せてご覧下さい。