そうだった 向上心のない日々は 何も昔からじゃない
幼少年の僕達に 指差して笑われた
ゴミ溜めみたいなパチンコ 打ち続けてる彼にも
その昔 愛すべき 娘と妻が 居たのでした
出典: 再教育/作詞:Neru 作曲:Neru
日常生活を送っている中で、ふと過去の記憶が思い浮かぶ時があります。
主人公はまだ幼い頃は色んなことに興味をもつような子だったようです。
見える景色が全てキラキラと輝いていた頃は、もっと素敵な大人になっているはずだった。
しかし現在の、少なくとも過去より成長している自分を見て惨めになります。
過去の自分が思っていた理想の姿なんて遠いままです。
過去の自分と現在の自分とのギャップが埋まらず、心がキュッと苦しくなります。
大人になると、子供の頃にできなかったことができるようになります。
飲酒、喫煙等…自分で責任を持てるようになるから許されることです。
歌詞3行目の娯楽もその中の1つ。
大人は「自由」なので、娯楽にいくら打ち込んでも叱る人はいません。
彼は娯楽にのめり込んでしまったのでしょうか。
誰でも上手くいかない現実よりも、自分を楽しませてくれる娯楽をずっとしていたいものです。
たとえ自分が守らなければいけない存在がいたとしても。
周りと考えが違う
治りゃしない 最果てのロンリー
僕ら以外 買い被る倫理
出典: 再教育/作詞:Neru 作曲:Neru
集団行動が当たり前の社会では、考え方が違う人にとっては生きづらいものです。
中には周りと合わせようとして自分の考えを言わずに内に隠す人もいるでしょう。
しかし、違和感がある考え方や行動はストレスが溜まっていきます。
表面上では仲良くしていてもどこか深い所で繋がることはできません。
日常生活を送る上では問題ありませんが、心の中ではどこか常に孤独なのです。
周りが常識だと思っている考え方に100%賛同することができません。
どうして、そこまで疑いもなく当たり前のような考え方だと肯定することができるのか。
主人公は疑問を持っています。
この内心納得できていない想いは、じわりと外側にまで滲み出てきてしまいます。
仲間外れにするほどではないけど、信用をおけるほどでもない。
こんな風に他人から思われているかもしれません。
周りの意見に合わせようと自分の考えを隠してしまうと、逆に信用されない原因になってしまいます。
自分が考える幸せとは
見い出せない 幸福の本旨
教えてください 教えてちょうだい
出典: 再教育/作詞:Neru 作曲:Neru
自分に嘘をつきながら生きていくと、幸せとは何か分からなくなります。
仲間はずれにされないように、周りと違う意見を隠してきた。
しかし今は隠してきたことが原因で、なんともいえない漠然とした孤独を感じるハメになっています。
主人公は一体どうすれば良かったのでしょうか。
どうすれば生きやすくいれたのか。
どうすれば幸せになることができたのでしょうか。
そんなことが悶々と頭の中を支配します。
現在の居心地の悪さを自覚しながら、過去の自分との葛藤が定期的にやってくる。
どうしようもない気持ちを誰か軽くしてください。
そんな悲痛な願いが表現されているように考えられます。
嫌な意見だけが耳に残る
こんな世界 願えりゃバイバイ
逃げ出したい声だけがハイファイ
言うこと聞かない奴は先生に
言い付けるぞ
出典: 再教育/作詞:Neru 作曲:Neru
過去のキラキラとした理想を叶えることはできず。
自分を押し殺した現在も、孤独を感じた状態の状況に主人公はうんざりしています。
そして現在、生きている今もそんな薄暗い感情が頭から離れません。
ハイファイ
出典: 再教育/作詞:Neru 作曲:Neru
上記の言葉の意味は再生する音の質が高いという意味です。
このことからも、主人公が現状から抜け出したいという気持ちが強く描かれています。
サビが全て同じ歌詞の理由
「再教育」のサビは全て同じ歌詞になっています。
最後のサビでは言葉が変化している曲が多くあり、その大体は良い方向へ向かっていることが多いです。
しかし「再教育」では、1文字も変わっていません。
このことからも歌詞の主人公の重たい気持ちは最後まで変わっていないことと推測できます。
もしかしたら、この重たい気持ちを解決しようとするのは諦めている表れなのかもしれません。
疑問を持つような常識と何事も集団で多数の意見が正しいような社会。
この考えが全て正しいと思えるなら、もっと楽に生きられたでしょう。
しかし、人は急に考え方を変えるというのは難しいものです。
モヤモヤとしながらも、自分なりに納得するように進むほかありません。
暗い歌詞だけど聴き終わったら心がスッキリする
「再教育」は歌詞が全体的に暗い感じになっています。
しかし、曲を視聴した後は自分の中の心が少し軽くなっているようだというコメントが多数。
おそらく曲調がロック調でカッコよく、疾走感も感じられることが理由だと言われています。
暗い歌詞に共感しつつも、スピード感のあるリズムで暗い気持ちが吹き飛んでしまう楽曲。
最近心が重たいと感じている人はぜひ1度視聴することをおすすめします。