第2楽章も終盤に差し掛かった頃。
オーケストラの演奏はまるでこれからの明るい未来を象徴するかのように、盛り上がりを見せ始めます。
そしていよいよ第3楽章「Journey to Harmony」では、皆さんお待ちかね嵐の登場です。
この楽章はオーケストラによる伴奏と合唱によって構成されたパート。
嵐の歌唱の裏では、東京少年少女合唱隊が重厚なハーモニーをコーラスで支えていますね。
全員お揃いのスーツで登場し、大勢の人々の前で堂々と大役を果たした嵐のメンバー。
嵐ファンの中には彼らの佇まいに感動した、という方もきっと多かったのではないでしょうか。
また、彼らの穏やかで慈しみに溢れた歌声に感動したのは、嵐ファンだけではありませんでしたね。
この第3楽章の歌唱の際、感動で薄っすら瞳に涙を浮かべた皇后陛下の姿も捉えられています。
きっとそれだけ、嵐のまっすぐで純粋な歌声が心に響いていらっしゃたのでしょう。
壮大な楽曲の歌詞のテーマは?
ちなみにこの第3楽章の歌詞には、このような逸話も残されています。
今上天皇が歌会始で詠んだ和歌や、国際フォーラムでの講演内容が第三楽章の歌詞に織り込まれている。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/天皇陛下御即位をお祝いする国民祭典
「歌会始」とは皇室の方々が毎年、年の初めに行う和歌を披露しあう会のこと。
そこで2017年に、今上天皇がこのような歌を詠んでいます。
「岩かげにしたたり落つる山の水大河となりて野を流れゆく」
岩陰から滴る一滴の水が川の水となり、やがて野山へと流れてゆくのだろう。
この歌は小さな一滴の水が、雄大な自然へと流れゆく様に思いを馳せたものとなっています。
はじめはどこかの 岩かげにしたたり
落ちたひとしずくの 水が平野流れ
出典: Journey to Harmony/作詞:岡田惠和 作曲:菅野よう子
また同じく1番のAメロに、下記のような歌詞があります。
あの大河だって はじめはひとしずく
僕らの幸せも 大河にすればいい
出典: Journey to Harmony/作詞:岡田惠和 作曲:菅野よう子
こちらは2018年3月にブラジルで開催された、世界の水問題を扱う国際会議である世界水フォーラム。
そこに出席され講演を行った、今上天皇の演説の言葉から作られた詞となっているんだそう。
これまでの今上天皇のご活動や、これからの令和という時代への希望や期待。
それらがすべて集約されたような、素晴らしい歌詞となっていることがうかがえますね。
最後に
いかがでしたか?
今回は【奉祝曲 組曲 Ray of Water】について、3楽章全てを詳細に解説致しました!
令和の時代に、新天皇として即位された今上天皇。
それを祝した暖かな気持ちと、これからの令和の時代への明るい希望や期待。
そのような思いがたくさん詰まった、素晴らしい曲であることがお分かり頂けたかと思います。
今回ご紹介した【奉祝曲 組曲 Ray of Water】。
全3楽章の演奏は、陸上自衛隊中部方面音楽隊がリリースしたCDに収録されています。
嵐の歌唱部分だけでなく、全てを聴きたい!という方は、ぜひそちらもチェックしてみて下さいね。
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最後に、本記事とあわせてぜひチェックして頂きたい解説記事を2つご紹介致しましょう。
今回ピックアップしたのは、嵐による【奉祝曲 組曲 Ray of Water】に関連する楽曲です。
嵐【Journey of Harmony】
まずこちらは嵐の【Journey to Harmony】。
本記事でも先述した【奉祝曲 組曲 Ray of Water】の第3楽章となっている楽曲です。
天皇陛下御即位へのお祝いと、これから始まる令和の時代への希望や期待を歌ったこの曲。
歌詞の内容をチェックすると、さらなるこの曲の素晴らしさに気付くことができるかもしれません。
嵐【Journey to Harmony】歌詞の意味を徹底解釈!何が世界を照らす?調和への思いとは - 音楽メディアOTOKAKE(オトカケ)
嵐が令和天皇皇后両陛下のご即位を祝した祭典の場で披露した歌、それが「Journey of Harmony」です。特別の場で披露するだけのために作られた特別な歌、その歌詞を考察し、そこに込められた想いを考えていきます。