クランメリアの言い訳
この曲は2020年の第一弾、26枚目のシングルです。
とても勿体無いことに通常盤にしか入っていませんでした。
勿体無いというか通常盤を買った方はとても得をしたということですね。
しかもシングル盤といっても3曲も入っているのですからやっぱりお得です。
イシューとしてはHey! Say! JUMPの多面性が堪能できるようになっていました。
では最初にこの曲を簡単に説明しておきます。
この曲は何故?どうして?クールなのかというと…。
今まさに旬のスタイルのJ-POPだからです。
ソングライティングを担当されたみやかわくんこと宮川大聖さんのこの楽曲がまさにとんぴしゃのJ-POPだからだと思います。
今の流行りといえばちょっと早口で影のあるシンガーがダークな世界を歌うことです。
その世界を天下のジャニーズアイドルが歌うというのは大変斬新なことですね。
ですがびっくりしたことはそれだけではありません。
Hey! Say! JUMPさんはアイドルといってもヴォーカルもラップもダンスも完璧です。
このちょっと複雑な構成の楽曲を細かなパート分けでみごとに消化されています。
確かにこの曲は一人で歌うには忙しすぎるかもしれません。
メンバーは8人構成ですので個性の違う役割でシチュエーションも作りやすいですね。
声質も少しずつ違いますからメリハリもありリスナーも楽しめます。
これはグループで歌う強みでしょう。
このような素敵な楽曲ですので歌詞の内容も気になるところです。
深読みしてみたいと思います。
ダークな世界で囁く「クランメリア」の言い訳とは?
歌詞考察~ヴォーカルとコーラスの歌詞part
いきなりのMake Love?
「サヨナラ」と 枯れた指先で紅い果実をなぞる 朽ち果てる程
心まで 溶かしてしまえよ ひび割れたこの瞳(め)で
出典: クランメリア/作詞:宮川大聖 作曲:宮川大聖
歌詞考察前に少し説明がありますが、この歌詞全体を大きくふたつに分けました。
ヴォーカルとコーラス部分はネガとポジでいうとポジの方にあたると思います。
男女のやり取りが生き生きと描かれていると思いましたのでこのポジの部分から考察したいと思います。
先ずこの冒頭の部分ですがいきなりの別れを切り出すシーンのようです。
瑞々しい果物から生気を吸い取っていくのはどちらの方でしょうか。
不安を助長させ、相手をまるで破滅させようとしているようです。
そんなに苦しいなら体だけじゃなくすべてを投げ出せといっているようですね。
そしてぼろぼろになってしまえと乾いた目で見つめています。
満たされてもいなくて涙という感情もないということでしょうか。
ですがこれから読み解いていかないとどのような種類の感情なのかわかりません。
後ろめたい関係
黄昏(たそが)れたあの闇に煙る 朧気(おぼろげ)な街は今も 憂いを降らす
不器用で不埒な私を 抱きしめてよ さあ
出典: クランメリア/作詞:宮川大聖 作曲:宮川大聖
いつも太陽のある時間に会えるような関係では無かったということですね。
明け方の霧はいくら払おうとしても消えるものではありません。
目をこらしても実体は見えてきませんから底知れぬ寂しさがあります。
不道徳なことだとわかっていても求めてしまうのでしょうか。
平気で人を傷つけたり上手く生きることができないことはわかっているようです。
甘い罠
ゆらゆらと 揺れる旋律と汚れた蜜で嬲(なぶ)る 狂おしい程
どろどろに 溶かしてしまえよ ひび割れたこの瞳で
出典: クランメリア/作詞:宮川大聖 作曲:宮川大聖
心臓の鼓動は乱れ、嘘のような甘い刺激に夢中になっているようです。
正気ではいられないほどということでしょうか。
底なし沼にはまったように抜け出せないなら泥になってしまえと言い放っています。
尚更のように私は冷たい壊れたような視線で見つめているようです。
終わりは見えていた?
遠くから耳を掠(かす)めた 未完成な愛の唄は 灰と化して
崩れて消えたはずでしょ 忘れさせてよ さあ
出典: クランメリア/作詞:宮川大聖 作曲:宮川大聖
このフレーズは物語的には大事な部分だと思います。
ヴォーカルとコーラス部分は男女のやり取りの内容的には明るいものではありません。
ですが受け身ではなく攻撃的な感じはします。
囁くような寝物語のこの先は最初から作り話だったのかもしれません。
それとも夢は途中のままで終わったということでしょうか。
自分の言ったことなど終わったことと切り捨てるのは相手の立場も関係あるのかもしれません。
今が良ければそれだけでいいと僕は言っているようですが…。
なんだかもやもやとしてきます。
言い訳?
クランメリアの言い訳でしょうか?
それとも僕の言い訳ですか。
どちらも悪いことと知っているのですから罪は同じです。