正体を隠して配信されたHey! Say! JUMPの楽曲

この楽曲は当初謎の8人グループHoney Beeが歌う楽曲としてYouTubeに投稿された楽曲です。

作詞作曲女王蜂のアブちゃんダンス東京ゲゲゲイのMARIEが手がけています。

この豪華なコラボに配信当初から大きな注目を集めました。

正体不明ながらも圧倒的なパフォーマンス力で多くの人をひきつけ、魅了していたのです。

その正体がアイドルとして第一線で活躍しているHey! Say! JUMPと判明した時も大きな話題となりました。

Hey! Say! JUMPといえば、アイドルらしい爽やかでキラキラしたイメージのグループです。

これまでと違った一面を発揮した彼らに印象が変わったという人も多いことでしょう。

現在もその動画はYouTubeで視聴できるので、ぜひ一度みてみてください!

嘘で自分を隠す

見せない本性

「僕と俺」とを使い分けて
心ゆくまで嘘を吐く
怖いものを知らない真実が冷たく光る

出典: 狼青年/作詞:薔薇園アヴ 作曲:薔薇園アヴ

歌い出しから主人公は本当の姿を見せない嘘つきであることがわかる歌詞になっています。

自分のことを示す一人称は、その人の個性を示すものの1つです。

自分を「僕」「俺」という人では印象は大きく異なります。

その一人称を使い分けることで自分自身の個性を隠し、嘘をついているのです。

本当の自分を覆い隠し、好き放題に嘘をついているのでしょう。

しかし、嘘の裏には常に真実が潜んでいます。

その真実は主人公の心の中に消えることなく潜み続けているのでしょう。

真実は「嘘をついている」という事実を突きつけ、主人公も自分の嘘を自覚していると読み取れます。

巧妙にしかけた罠

臆病なフリしてないで
さぁ 面影重ねて迷い込んで
きみを護る狩人はとっくに美味しく、ね

出典: 狼青年/作詞:薔薇園アヴ 作曲:薔薇園アヴ

このパートからは、狼が登場する童話『赤ずきん』が連想できるでしょう。

『赤ずきん』では狼が赤ずきんを騙して食べてしまいますが、最後には狩人が助けてくれます。

しかし、この歌詞の中ではその狩人に該当する人物は助けには来てくれないでしょう。

主人公は先手を打って「きみ」を守ってくれるはずの存在を排除しているようです。

最後に助けがない状態では「きみ」はただ狼の餌食になるしかありません。

主人公は「きみ」を追い詰め、逃がさないように入念に計画していたのでしょう。

そして「きみ」はその策にひっかかってしまったと考えられます。

しかし「きみ」もただ純粋なばかりではないのでしょう。

主人公の罠にかかり、思わぬ状況におびえていても本心から怖がっているわけではないようです。

それを主人公は見抜いていると読み取れます。

「きみ」の隠す本心

暴く本心

名前なんていいから好きに呼んで忘れて
理由ばかり欲しがるアリバイを壊して
真面目なキス まるで手品のよう
暴くブラウス 床に落ちるベルト

出典: 狼青年/作詞:薔薇園アヴ 作曲:薔薇園アヴ

主人公の策にひっかかってしまった「きみ」は、それでも主人公への警戒心はあるのでしょう。

名前はその人そのものを示す最も重要なものです。

「きみ」は主人公の名前を知りたがっていますが、主人公は教えようとしません。

それは自分の真実を何も教えたくないのだと考えられます。

「きみ」が主人公のことを知りたがる理由を、主人公は知っているのでしょう。

その理由は「きみ」が隠している本心にも繋がっていると考えられます。

その本心を主人公は暴こうとしているようです。

嘘をつくことへの罪悪感

狼少年、もう一度駆けだしたらもう帰れない
たとえ誰の涙が胸に光っても
遮るものなどなにもない 不実な心が眠るまで
このまま彷徨い続けてゆく僕は、狼青年

出典: 狼青年/作詞:薔薇園アヴ 作曲:薔薇園アヴ

主人公は常に嘘をつくこと選んで生きています。

その嘘によって誰かを傷つけることもあったのでしょう。

しかし、一度嘘をつき続けると決めた主人公は、その生き方を変えるつもりはないようです。

主人公自身が考えを改めない限り、その行動を誰かが止めさせることはできません。

嘘をつくという行為は真実を隠すことでもあります。

しかし真実を隠し続ければ、何が真実なのかを見失ってしまうこともあるでしょう。

主人公は不誠実な心を自覚し、そのことにまだ罪悪感があるようにも読み取れます。

真実と嘘の間でさまよいながら、それでも嘘をつき続けようとしているのです。