新アルバム「season」
ヤングアダルト
違和感を覚えさせるテクニック
ハロー、絶望
こんなはずじゃなかったかい?
でもね、そんなもんなのかもしれない
僕らに足りないのはいつだって
アルコールじゃなくて愛情なんだけどな
出典: ヤングアダルト/作詞:はっとり 作曲:はっとり
まず1曲目は「ヤングアダルト」。
作詞作曲はボーカル・ギターのはっとりさん。
「ヤングアダルト」という対照的なものがタイトルになっていて、とても印象的な曲です。
この曲の歌詞でさらに注目したいポイントは一行目。
こちらも対照的なイメージのある言葉。
「ハロー」という言葉はどちらかというと明るいイメージがあります。
挨拶ですので明るいイメージですが、「ハロー」と言っている相手は絶望。
普通、絶望に挨拶なんかしません。
でも対照的な言葉を組み合わせることによって、違和感が生み出され心が一気に掴まれます。
悲しみを感じさせる綺麗な言葉
手首からもう涙が流れないように
無駄な話をしよう 飽きるまで呑もう
出典: ヤングアダルト/作詞:はっとり 作曲:はっとり
そしてもう一つ印象に残ったのが歌詞の一行目。
なんて素敵な響きなのでしょう。
いわゆるリストカットです。
でも血が溢れるのではなく涙が溢れる。
自殺を考えた人物の悲しみや辛さがこの言葉に溢れているように感じます。
その相手を救うために、飽きるまで呑む。
くだらない話をして呑み続けます。
でも僕らに足りないのはアルコールではなく愛情。
酔っ払いたいから呑むのではなく、この絶望から離れて愛されたいからお酒を呑んでいるのです。
愛情があるから人間でいられるのです。
ちなみに「憂いの晩杯や」という言葉は「憂いのバンパイヤ」にかかっていると思います。
愛情をもらって生き続けている人間との対比です。
この曲は、本当に愛情がなくて辛い人に光を差し込んでくれるような曲です。
恋のマジカルミステリー
主人公が抱える現状
インドへの旅に出たい
嫁も夢も国に残して
人生は領収書
出典: 恋のマジカルミステリー/作詞:はっとり 作曲:田辺由明
次にご紹介するのは「恋のマジカルミステリー」です。
作詞は先ほどに続きはっとりさん、作曲はギターの田辺由明さんが手がけています。
とてもキャッチーで可愛らしい曲です。
80年代ロックを意識したとか。
では歌詞を見ていきましょう。
インドに旅に出たい主人公。
かなり人生に疲れているようです。
インドは価値観を変えることで有名な場所。
主人公も自分を変えたいと思っているのではないでしょうか。
しかしなかなか忙しくてできない。
人生を領収書や教習所に例えていることから、人生が嫌になっていることがわかります。
でも、だんだんインドへは行かなくてよいとなっています。
忙しいけど旅には出ない、出る必要がないという印象です。
愛する女性の存在によって、インドに出る必要はなくなりました。
あんなに人生が嫌だったのに、そんなことがどうでもよくなってしまう。
それが「恋のマジカルミステリー」です。
主人公の愛情表現
インドへの旅に出ない
背広のアイロン 頼むぜマイハニー
出典: 恋のマジカルミステリー/作詞:はっとり 作曲:田辺由明