女性の呼び方にも特徴的です。
インドへの旅に出たいときの女性の呼び方は「嫁」。
一般的な呼び方ではありますが、少し突き放した印象を受けます。
サビでは「君」が出てきます。
距離感がちょっと近づきました。
その後、突如登場した「マイハニー」。
背広のアイロンをかけといてほしいと頼んでいます。
どんどん彼女に対する愛情が出始めているのが目に見えてわかります。
忙しすぎる日々だが
君が花で おれは水
かっこいいだろ男なんだからね
皿洗いなら任せといてくれな
出典: 恋のマジカルミステリー/作詞:はっとり 作曲:田辺由明
1番では、花を飾り水をやろうと言っていました。
ただ2番では君=花、俺=水になっています。
花と水が彼女と自分の比喩になっているものすごくおしゃれな歌詞です。
さらに一番最後の歌詞。
主人公が彼女に協力的になっているのを感じるのではないでしょうか?
インドに旅に出たいと思うほど忙しさに追われていた主人公。
この言葉が、彼女への最大の愛の言葉だと感じます。
二人ぼっちの夜
ベッドの上 永遠を巻き戻し
電球の下で果物ごっこ
ずるいね、すぐ居なくなるくせに
世界は午前2時過ぎに少しだけ優しくなる
出典: 二人ぼっちの夜/作詞:はっとり 作曲:高野賢也
「ベッドの上」「午前2時過ぎ」という表現からも、体だけの関係に近いのかなとも思います。
2行目の歌詞にもしびれます。
甘い熟れた時間をすごしているのです。
ただ果物も熟れた時間がずっと続くわけではないことを考えてしまうと、この恋の行く末が見えます。
彼女側は彼のことが好きだから、会話と恋が続くことを求めます。
切ないです。
もうなんかね、あなたがいいの
理屈なんて知らない
出典: 二人ぼっちの夜/作詞:はっとり 作曲:高野賢也
1行目の「なんかね」という言葉。
なんともえいない不安定な感情を感じました。
「この先どうなるかなんてどうでもいい」というようなイメージです。
TREND
現代社会に対する批判
"トレンドになって、去年通り"
"トレンドをやって、お願い、ただ形通り”
出典: TREND/作詞:はっとり 作曲:長谷川大喜
では続いて「TREND」です。
作詞ははっとりさん、作曲はキーボードの長谷川大喜さん。
この曲はメッセージ性が強い歌詞です。
さらにこのSNS社会に合った歌詞だと思います。
トレンドにしばられていることに対しての気持ちがとても表れています。
サビでは「トレンド」をもとに繰り広げられるさまざまな言葉。
徐々にトレンドに自分の気持ちや行動が左右されていることがわかります。
確かにトレンドは世間の流行でもありますし、人々が求めていることなのかもしれません。
それを形通りに要求してしまっているこの言葉には、危機感を覚えたほうが良いことを感じます。
現代社会に向けた訴え
広告はユーザーに盲目を推奨
不甲斐ないやこれでは このままでは
出典: TREND/作詞:はっとり 作曲:長谷川大喜
また2番ではかなり前向きな印象を受けます。
「このままでは」という言葉。
このままではいけないということを表しています。
「不甲斐ない」という言葉からも、もはや呆れているという印象。
そして一番最後「トレンドになんて」という言葉があります。
これにはどんな言葉がついてもトレンドを批判するワードが組み込まれています。
この言葉から感じたのは意志の強さ。
短い歌詞ながら、考えさせられることがたくさんあります。