アルバム「Nice Body?」のオープニングを飾る1曲

渋くてキャッチーなサウンドにハマれ!

ドミコ【ペーパーロールスター】歌詞の意味解説!なぜ好き嫌いをしていいの?偽りの愛を拒否する理由とはの画像

ギタードラムの2ピースバンドドミコ

たった2人でステージに立つ彼らの武器は、多くの音楽ファンの度肝を抜くその変態的な音楽性です。

アグレッシブかつクールでシャギーなそのサウンドに、心を掴まれた方もきっと多いことでしょう。

今回ご紹介するのは、そんな彼らが2019年2月にリリースしたアルバム「Nice Body?」に収録の1曲。

Apple MusicのCM曲にも抜擢され話題となった【ペーパーロールスター】です。

クールなMVもぜひチェックして♪

歌詞をご覧頂く前に、ぜひ楽曲MVも併せてお楽しみ下さい!

ダウナーな雰囲気漂う薄汚れた裏路地のグラフィティをバックに、プレイを披露するドミコの2人。

このグラフィティを描いた犯人は、意外にもどうやら不敵な笑みを見せる気品のあるご婦人のようです。

グラフィティと高級感のある女性の相反するムードが非常に印象的なこのMV

楽曲のガレージ感やキャッチーな雰囲気に見事にマッチした映像となっていますね。

この楽曲の中で、ドミコは一体どのような内容を歌っているのでしょうか?

早速歌詞の内容を紐解いていきたいと思います。

早速歌詞を見ていこう♪

hello! good morning! friends!
how are you? good afternoon!

出典: ペーパーロールスター/作詞:さかしたひかる 作曲:さかしたひかる

やあ、おはよう!親愛なる友よ!

元気かい?今日は良い日だね!

楽曲の冒頭は英詞での挨拶から始まります。

この挨拶は、ドミコからリスナーに向けられたものなのでしょうか?

それとも、まだ正体の明らかになっていない誰かから誰かへ向けての挨拶なのでしょうか?

解読するには少しまだ情報量が足りませんね。

続きの歌詞を読み取っていきましょう。

皮肉屋な「あたし」の物語

退屈そうな彼女の姿

ハローあたしは 怖がりもしない
ただの死骸もどきなの
太鼓持ちが集まりました
目の奥の方を 光らせるの

なんか腐ったような割合の
愛を誓い合うみたい

出典: ペーパーロールスター/作詞:さかしたひかる 作曲:さかしたひかる

冒頭の挨拶はどうやらここで登場した「あたし」が発したものだったようですね。

この歌の主体となる存在は、曲全体を通してとても冷めた目で物事を見ているように思えます。

本来であれば誰もが怖がるはずの存在を「怖がりもしない」。

そして「愛を誓い合う」という行為についても、断定せずそれっぽい言及で濁しています。

また自身のことを表すのに「死骸もどき」という過剰な表現を使っていますね。

死骸という言葉は、死んだ人間を表す際には使いません。

虫や動物が死んだ後に残された肉体の表現なので、自身を生きた人間とも評していないのです。

ですが裏を返せば自分を人間と表さないのは、自分はれっきとした人間であるという証なのですが。

そんな彼女は、周囲の人々に対しても皮肉っぽい表現をしています。

「太鼓持ち」とは、権力を持つ人を担ぎ上げる人々を揶揄していう言葉ですね。

みんな何をそんなに必死になっているんだろう、必死に目をぎらつかせている人までいる。

まあもっとも、私は全然興味がないけれど

肘をついて退屈そうに周囲を眺めながら、そんな発言をする彼女の姿が目に浮かびます。

スーパースターは何物なの?

グッバイ ペーパーロールスーパースター ララララララ
好き嫌いをしていこう
グッバイ ペーパーロールスーパースター ララララララ
ようは全然どうでもいい

出典: ペーパーロールスター/作詞:さかしたひかる 作曲:さかしたひかる

サビでは「ペーパーロールスーパースター」と呼ばれる存在との別れが描かれています。

スーパースターという存在は、本来であればいろんな人から憧れられたり頼りにされる存在です。

ですがこの曲でその言葉と一緒くたにされているのは、ペーパーロールという非常に薄っぺらい存在。

まるで冒頭にでてきた「あたし」が、スーパースターの存在を皮肉に表現しているかのようです。

「あたし」は、このスーパースターの存在に対してあまり好意を抱いていないのかもしれません。

ここで考えられる「あたし」とスーパースターの関係性についての仮説は2つ。

1つは「あたし」とスーパースターが別の人物である、というもの。

もう1つは、「あたし」がスーパースターである自分のことを皮肉って歌っている、という考え方です。

後者の考え方をすると、冒頭の歌詞からの情景の全容がなんとなく見えてくる気がしませんか。

「あたし」は世間を賑わせるスーパースター。けれど、そんな生活に退屈している。

「あたし」の周りに「目の奥の方を光らせて」集まる「太鼓持ち」。

自分に対して「腐ったような割合の愛を誓い合うみたい」な周囲の人々。

彼らに纏わりつかれる毎日に、彼女はうんざり。

スーパースターを演じる自分とおさらばして、人並みの「好き嫌い」をして生きていきたい。

自分を取り囲む煌びやかな世界なんて「どうでもいい」。

そんな彼女の心情を歌っているようにも受け取ることができますね。