MVはバイクにまたがった選手が1列に並び、レースが始まるシーンから。

コース上や観客席で演奏するメンバーの姿が見られます。

大抵はライブと同じような並びで立つことが多いので、まばらに立つメンバーの様子は斬新。

コースの広さを活かした演出ですね。

これを経て、終盤には横一列に並んだ演奏シーンも。

バンド名が表示された大型ビジョンをバックに繰り広げられるその様子はなんとも華やかです。

決意を表した歌詞を解釈

ここからは「狂喜乱舞」の歌詞を解釈していきましょう。

LACCO TOWER歌詞というと、独特な言い回しの日本語が特徴ですね。

どうやらこの作風に至ったのにも経緯があるようです。

作詞を担当するヴォーカル、松川は元々音楽が好きというよりも目立ちたくてバンドをやっていたといいます。

しかしそのノリで活動をしていると、行き詰る瞬間があったとのことです。

これは自分の武器がない感覚のようなものでしょうか。

そのときに今まで通ってこなかった「本を読む」ということをやってみた結果、歌詞に対する意識が変化。

今のような作風になっていったのです。

彼の書く詞は音楽のそれよりも、文章としての芸術に近いように感じます。

このことがバンドのイメージに与える影響は大きいですね。

知らんぷりで乗り越えてきた

場口々「やい」「やい」 痛み入る暇もなし
で今まで 止むなし 他人事は知らんぷりさ

出典: 狂喜乱舞/作詞:松川ケイスケ 作曲:LACCO TOWER

「痛み入る」はもう少し一般的な言い方だと「恐れ入る」という意味。

これは言われることに対して恐縮する様を表すもの。

しかし主人公は野次ばかり飛ばされて、恐縮するようなことがなかったのでしょう。

そんな現状、気にしないのが一番だということでしょうか。

ここでは主人公が知らんぷりをしてこれらを乗り越えてきた様子が表されます。

貼った もう人生逃げたかねぇ

出典: 狂喜乱舞/作詞:松川ケイスケ 作曲:LACCO TOWER

「貼った」というのは賭け事などでよく使われる言葉ですね。

この決断に賭けるのような意味が込められているのでしょう。

今まで知らんぷりをして逃げてきた現状を変えたいという意思を感じさせますね。

死に物狂いで

狂狂回る我ら巡る
ガソリンは心臓燃やして
せちがれえ今を引き裂いて
白と黒つけてやれ

出典: 狂喜乱舞/作詞:松川ケイスケ 作曲:LACCO TOWER

オートレースは円形のコースをクルクルと回ってその速さを競います。

その様子を彷彿とさせる歌詞が展開されていますね。

クルクルを「狂狂」としているところには「死に物狂い」のような意味が込められているのではないでしょうか。

世知辛い世の中の態度も、自分の目標を果たせば変わってくるもの。

自分の立ち位置を死に物狂いではっきりとさせようとする主人公の姿が伝わってきます。

決意したときの感覚

うなだれた今に決別を
狂喜の明日に閃光を
ちぎって空に舞った「今」は
はなむけの花束さ
期待打つ心臓部
狂喜で魅せる乱舞

出典: 狂喜乱舞/作詞:松川ケイスケ 作曲:LACCO TOWER

うだつの上がらない現状を変えるぞと立ち上がった主人公。

ここではその決意こそがはなむけになると歌っています。

決意は期待を呼び寄せ、士気を高めるもの。

その感覚は確かに特別なものですね。

油断大敵

出しぬかれてんてこ舞い 近間には信用もなし
高くくり鼻高 へし折られ 恐いドキ

出典: 狂喜乱舞/作詞:松川ケイスケ 作曲:LACCO TOWER

「身近な人であっても簡単に信用してはいけない」という意味が込められたこの部分。

後半は「調子に乗っていたら足をすくわれるぞ」となっています。

これらを合わせて、油断することの怖さが表現されているのでしょう。

最後の「ドキ」はBメロの「動機」へと繋がるもの。

合わせて「ドキドキ」と聞こえる言葉遊びになっていますね。