鹿乃3rdアルバム収録『HOPE』
『HOPE』はアニメ「狐狸之声」エンディング曲に抜擢
『HOPE』は東京MX系アニメ「狐狸之声」のエンディング曲に抜擢されました。
歌が上手いが顔を隠しているフーリと、顔は良いけれど歌がイマイチなアイドル・チュユン。
ないものねだりでいがみ合いをしながらも、2人が芸能界でのし上がろうとするストーリーです。
純粋な心を護るために
人は純粋なままで生きられないのでしょうか。
そんな疑問を抱いてしまう『HOPE』の歌詞を読み解きます!
必死過ぎる君の姿に違和感をおぼえる
純真な想い 壊れないように
その小さな腕で 偏に護っていた
出典: HOPE/作詞:Mitsu(TRYTONELABO) 作曲:内海孝彰(TRYTONELABO)
誰かの素直さはときに、誰かを傷つけることがあります。
また、誰かの攻撃対象になることもあります。
汚れのない心に罪なんてないのに、人を傷つけないように、誰かに傷つけられないようにと考えてしまう。
それが、この曲の「君」です。そして語り手である「僕」は、君の様子をよく見ているようです。
誰の手にも触れない奥の方に想いを隠しておくには、君の腕は細すぎるのかもしれません。
あるいは想いがあまりにも大きすぎるのかもしれません。
いずれにせよ、アンバランスが目につくほどの必死さだったのでしょう。
「偏に(ひとえに)」とは「一途」にという意味があります。
また「護る(まもる)」は「守る」よりも身を挺してかばうようなニュアンスが含まれています。
僕の目に映る君は、常に気を張っているかのように見えたようですね。
ただ目の前にあるものにしがみつくことだけで
もがいているだけじゃ 君らしくない
出典: HOPE/作詞:Mitsu(TRYTONELABO) 作曲:内海孝彰(TRYTONELABO)
「何かを護りながら戦うことは難しい」と言われます。
君は本当の想いをひた隠しにして自分を大きく見せようとしているのかもしれませんが、それでは「護る」のが関の山。
困難に立ち向かい、100%の力で戦うことは難しいのではないでしょうか。
とにかく前に進もうとして目の前の敵に噛み付いたとしても、それ以上何もできないのです。
噛みちぎるためには相手を掴んで自分の身から引き離さなければなりません。
しかし君の腕は、想いを護るために使用中なのです。
何もできない不甲斐なさを嘆く君の姿を見て、僕は「らしくない」と感じています。
では、「君らしい姿」とはどんな姿なのでしょうか。
瞳だけは見えている
仮面を外してよ 本当の君の顔
月明かりが優しく照らすから
出典: HOPE/作詞:Mitsu(TRYTONELABO) 作曲:内海孝彰(TRYTONELABO)
君は今、本当の自分を隠している状態です。
アニメでは狐のお面を被った歌い手が登場しますが、楽曲中では見た目に分かる仮面ではないのでしょう。
皆に見えるわけではありませんが、僕には見えるのです。
腕の中に隠している澄んだ心と同じく、君が喜怒哀楽とともに見せる表情を仮面が隠してしまっているのではないでしょうか。
今仮面を外しても、向けられるのは人々の視線ではなく月の光だけ。
今なら深呼吸ができるよ、と君を労っているように感じます。
嘘の吐けない真っ直ぐな瞳 何よりも美しい
廻りはじめた物語
出典: HOPE/作詞:Mitsu(TRYTONELABO) 作曲:内海孝彰(TRYTONELABO)