今日が最後の日。

言葉はすでに意味をなさないわけです。

短い時間をせめてお互いが触れ合えるダンスで過ごそう。

大阪の最後の夜の最後のダンス

歌詞の1番は、別れの日の夜を切々と歌い上げています。

たった8行でこれだけのシーンを描き出しています。

さすが「吉岡治」

「シンプルにして力強い」表現です。

続いて2番に移りましょう。

「ふたりの大阪」歌詞解説2番

2番歌いだし

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(女)忘れはしないわ あなたのことは
(男)瞼をとじれば昨日のようさ

出典: ふたりの大阪/作詞:吉岡治 作曲:市川昭介

2番では今までの回想が描かれています。

“忘れない”たったこれだけの言葉で二人の過去を想像させます。

それを受けた男性のセリフ。

“目をつぶる”

再び短いフレーズですが、過去が走馬灯のように思い出されてゆくシーンを連想させます。

さて、二人の思い出とはどのようなものだったのでしょうか?

2番展開部分

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(女)ふたりで歩いた御堂筋
(男)そぼふる小雨の淀屋橋

出典: ふたりの大阪/作詞:吉岡治 作曲:市川昭介

ここまで出てきた地名は、新地御堂筋淀屋橋の3つです。

大阪の地理に詳しい方ならすぐわかりますね~。

この間の距離はほぼ2キロメートルちょっと。

オフィス街の御堂筋から、まっすぐ歩いて淀屋橋を渡り、新地のクラブへと行く。

途中で夕食を食べたりしたのでしょうね。

いわゆるホステスさん同伴出勤というやつです。

当時は完全週休2日ではありませんし、繁華街も連日にぎわっておりました。

二人の思い出は夕方から始まり明け方で終わるものだったのでしょう。

それにしても大阪の地名はなんて絵になる地名なのでしょう。

御堂筋から淀屋橋を通って新地へと向かう。

地理に詳しくない人でもちょっとした浪漫を感じさせる地名です。

2番サビ前

(女)残り
(男)わずかな
(男女)この夜を

出典: ふたりの大阪/作詞:吉岡治 作曲:市川昭介

回想の時間が終わり、現実に戻ります。

最後の夜はあとわずか。

男女交互に歌うことによって、二人が見つめ合うシーンを想像させます。

2番サビから終わり

(男女)ああ思い出に ふたりの大阪
(男女)ラスト・ダンス

出典: ふたりの大阪/作詞:吉岡治 作曲:市川昭介

見つめ合った二人は、お互いを確認しあうかのようにまたダンスに没頭します。

男性側の思い出は軽そうですが、女性側の思い出はちょっと重そうですね。

そんなことを連想させる部分です。

通常3番構成の歌謡曲は、2番がだれてしまう傾向にあります。

この2番の歌詞は、通常だれてしまうところを引き締める効果を持っています。

聴いている人に何かしらの自分の過去を連想させ、歌に感情移入させるのです。

さあ、回想シーンが終わり再び現実に戻りますよ!

「ふたりの大阪」歌詞解説3番

3番歌いだし

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