アルバム『LIFE 6 SENSE』に収録
メンバー曰く「真面目にふざけた曲」。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/ LIFE 6 SENSE
どんな曲なのだろうと興味がそそられる言葉です。
童話への斬新な視点
この曲を一言で表現するならば、童話へ現実的につっこむ話でしょうか。
この曲には誰もが聞いたことがある童話がいくつか出てきます。
童話というのは教訓めいたものであると同時に現実離れしたものです。
ウサギがしゃべるとか桃から生まれるとかつっこんだらきりがありません。
けれどもこの曲では非現実的な設定よりも登場人物の行動につっこんでいます。
もっというならば冷めた見方をしているといいましょうか。
教訓的な童話に対する一つの反論ともいえるのかもしれません。
思わず納得できるそんな世界観を見ていきましょう。
『金の斧、銀の斧』
正直にしているといいことがある
最初に取り上げられている童話は『金の斧』。
『金の斧』といえば自分の斧を落とした主人公が正直に答えたら3つの斧をもらえたという話。
逆に『金の斧』が自分のものだと答えた嘘つきは自分の斧すら失ってしまいました。
欲をかいて嘘をついたら損をするから正直者であるべしといった教訓のお話です。
けれども本当にそれは救いなのか?そんな疑問が生じてしまいます。
真意はわからない
今朝 川辺で木を切ってたら 斧を川に落としたらさ
川に後光が差して
「あなたの斧はこれか?」と聞いてきた
「兎に角そりゃもう怖かったんだ
だって ずぶ濡れの女が斧三本持ってんだよ?
全部俺のせいにされたくはないから
正直に一本って言ったら三本置いてった 笑」
出典: 勝者臆病者/作詞TAKUYA∞ 作曲: TAKUYA∞
この歌詞を見ると確かに!とうなってしまいます。
私たちが斧を持っている人を見かけたらまずぎょっとして身構えるでしょう。
刃物というのはそれだけで恐ろしいですし斧は身近な存在ではないからなおさらです。
またずぶ濡れの女性、この言葉を聞いてまず思い浮かぶのはホラーで出てくる長髪の女性。
そもそも泉から女性が突然現れること自体1種のホラーです。
そんな女性が斧を3つも持っています。
斧を3つも持つことができるなら力もあるということ。
もしも襲われたらひとたまりもありません。
その状況に直面したら驚き以上に恐怖が勝ります。
斧を落としてしまったことを怒っているのかもしれないと不安にも駆られるでしょう。
その状況で3つとも自分の斧と言ったら落としてしまった犯人にされるかもしれない。
結局のところ自分の身を守るためには正直に答えたほうがいい、ということになります。
正直者だからと3つの斧をくれた泉の女神。
しかし主人公のその言葉が、善意から来たのかはわかりません。
自己保身のためだとしても善意とみなされ喜ばれる。
主人公は急にそんなものをもらって困ったりはしなかったのでしょうか。
困ったならばそれは主人公にとって本当に良いことだったのか。
正直であることは本当に得、なのでしょうか。