「普通」が指しているものとは?
あれもこれも面白くない
刺激が欲しいだけなのに
みんなはきっと普通が嫌い
普通がいっぱい
出典: Doctor/作詞:ちゃんみな 作曲:ちゃんみな
この主人公は心がワクワクするようなことを求めていろんな情報を収集します。
でもどんなにたくさん情報を集めても、心を揺さぶるものが出てきません。
毎日がつまらないから面白いことを切に求めているのに、どれも刺激的ではないのです。
ここで出てくる「普通」とはすでにブームになったもののことを指しているのでしょう。
ブームになった当初は多くの人の目にとまり、そしてみんながそれを真似をする。(=普通がいっぱい)
でも、そのブームが過ぎ去ると一気にみんなの関心は他のものへと逸れていく。
そのブームの儚さを「普通が嫌い」という言葉で表現しているのではないかと解釈してみました。
「何も感じない症候群」にかかった主人公
聴き飽きたんだよもう全部
見飽きたんだよこのブーム
This is no flavor syndrome
お前らじゃ味がしないんだよ, hey
Help me doctor 変なんです
味がしない死にそうです
ニキニキニキニキ Doctor.
プリプリ please help me.
出典: Doctor/作詞:ちゃんみな 作曲:ちゃんみな
世の中に出回っている音楽は聴き飽きたものばかり。
ファッションや食べ物なども見飽きたものばかりです。
「no flavor syndrome」については「何も感じない症候群」と翻訳することができます。
「お前ら」とは、今までに流行ってきた出来事のことを指しているのでしょう。
「何も感じない症候群」にかかってしまった主人公。
そのせいで毎日が味気なくてしょうがないといった症状が出ているのでしょう。
そして「ニキ」とはネット用語で頼れるものを指す言葉。
なので「ニキニキニキニキ」とは頼れる存在であるドクターのことを指しているのでしょう。
2番~ラストの歌詞
再びドクターに助けを求める主人公
Oh my god I’m sick ya
Help me doctor I’m sick ya
助けてよ doctor このままだと死ぬ
なにもときめかない nothing.
また同じ物が what is it.
出典: Doctor/作詞:ちゃんみな 作曲:ちゃんみな
2番の冒頭では、再びドクターに助けを求める様子が描かれていますね。
どんなに待っても刺激的なものは出てこないし、自分の症状は変わらないまま。
だからこそ、より一層不安を感じているのでしょう。
1番の時よりも更に切迫感を感じられます。
すぐに炎上するこの時代
この時代は情報が溢れる
呪いにかかってます
嘘ばっかの Twitter
みんな自称ヒーロー
嫌気がさすよ日替わり悪役
今夜の餌食はお前だ
また明日からは誰だ
出典: Doctor/作詞:ちゃんみな 作曲:ちゃんみな
たくさんの情報が溢れているというのは便利な面もあります。
しかし、その一方で知らなくても良いことや、頭を悩ませるような情報まで入ってくるもの。
メリットだけでなく、デメリットもあるのです。
この歌詞ではそのデメリットの方に注目しており、それを「呪い」と表現しています。
Twitterを見れば、噓や誤解もたくさん流れてくる。
ちょっとした誰かの失敗や気に入らない発言があれば、あっという間に炎上します。
しかも、その炎上のターゲットは毎日のように変わっていく。
まるで日替わり定食のように「今日の悪役はこの人」といったノリでターゲットが変化していくのです。
今日は何事もなかったかもしれないけど、明日は自分が炎上のターゲットになる可能性だってある。
そんな不安を綴っていることが分かりますね。
作り上げられた個性
何もかもが量産型だ(ニキニキ)
私だけが(ピチピチ)
キラキラしたい(キラキラ)
みんなつまんない勢いがない
嫌われるのが怖いみたい
みんなと一緒それを今
個性と呼ぶんだ
出典: Doctor/作詞:ちゃんみな 作曲:ちゃんみな
「みんなと一緒~」の部分は、かなり考えさせられる一言ですね。
とりあえず流行のものを追って真似していれば、それが自分の個性になる。
当然そんなのは本当の個性ではなく、作り上げられた表面上の個性です。
生まれ持った本当の個性や考えを貫こうとすると、変に悪目立ちして評判が悪くなる。
でもみんな個性は欲しいから"ウケの良い個性"を演じるしかないのです。