胸に抱きしめて
忙しい毎日の中で 自分を忘れてしまう時は
あの丘から空を見上げる 少しだけ切ない気持ちを胸に抱きしめて
出典: いつもいっしょ/作詞:太志 作曲:太志
日々の出来事に追われ、忙殺される男の子。
自分のことすら忘れてしまうほどの生活です。
これでは愛を知ることなんて決してできません。
そんなとき、男の子は少しだけ立ち止まります。
「いつもいっしょ」と二人で唱えたあの風吹く丘。
もう叶わない約束をした思い出の地。
そこでの切ない余韻を胸に感じます。
ぎゅっと胸を締め付けられるような切ない気持ち。
まるで握れなかった女の子の手の代わりに目一杯抱きしめているようです。
奇跡を信じて
僕は思い出す あの日あの時に 手を離したのは 僕の方だった
後悔をしても仕方ないと 帰ろうとした その時 君が現れた
出典: いつもいっしょ/作詞:太志 作曲:太志
男の子は思い出しました。
あの日、先に手を離したのは女の子ではありませんでした。
男の子から手を離してしまっていたのです。
女の子が手を離されるのが怖いのは、充分知っていました。
「もしかすると」「ひょっとして」という運命的な奇跡を期待していました。
しかし、もう覆せません。
男の子は奇跡を諦めるしかありません。
もしかしたら、あの丘にいるかもしれないと向かっても、そこにあの子は現れません。
女の子が一番避けたいことをしてしまったのですから。
男の子が諦めて帰ろうとしたその時です。
奇跡が起きました。
女の子が目の前に現れたのです。
幻じゃない
幻じゃない 君が目の前にいる
あの頃と変わらない笑顔で ずっとずっと会いたかった
出典: いつもいっしょ/作詞:太志 作曲:太志
男の子は目を疑います。
ずっとずっと夢に見ていた女の子。
大人になっても会いたいと切望していた大切な子。
二人一緒だったあの頃の笑顔と何一つ変わっていませんでした。
奇跡が起きたのです。
幸せ色の風が吹く
何も言わずに 君は微笑んで その小さな手で 僕の手を握り
すれ違い別れた二人にだけわかる涙を 一粒だけこぼした
甘い言葉も 深いくちづけも 今はなくていい
ただ目を閉じて「いつもいっしょ」と唱えるだけで
幸せ色の風が二人を包むのです…
出典: いつもいっしょ/作詞:太志 作曲:太志
彼女は相も変わらずに不器用なまま。
やっぱり何も変わっていなかったのです。
言葉は交わさずに、男の子に優しく微笑みます。
そして昔から変わらない小さな手で男の子の両手を包みこむ。
二人にしか分からない涙。
お互いにすれ違って離れた二人。
きっと女の子も大人になっても後悔の念を感じていたのでしょう。
何度も何度も諦めようと思った。
あの日のことを忘れようと思った。
けれども、忘れられることはなかった。
もしかしたら、女の子もあの風吹く丘へ行っていたのかもしれません。
しかし、運命のいたずらか二人は会えなかったのです。
二人でお互いにすれ違っていた偶然。
出会えた嬉しさ。
会えると思っていなかった驚き。
やっぱり信じていたから出会えた奇跡。
二人が流した涙の意味は二人にしか分かりません。
ただ、確実に言えることがあります。
二人はこれからずっと一緒だということです。
「いつもいっしょ」がずっと続くのです。
これから長い時間を一緒に過ごしていく二人。
いまは急いで言葉を交わしたり、キスをする必要はないのです。
二人を包む幸せ色の風。
それは、きっとあの風吹く丘の風なのでしょう。
二人はこれから、二人仲良く一緒に手を繋いで生きていくのです。
二人の結末は…?
誰しもが、喜んだ二人の結末だったのでなないでしょうか。
一度は奇跡を諦めました。
しかし、奇跡によって二人はまた巡り会うことができました。
きっと、奇跡という言葉では片付けられない運命です。
自らの失敗で相手を傷つけてしまうことは、少なくないでしょう。
後から気づく後悔の念は、尾を長く引くことがあります。
それでも諦めずにひたむきに思い続けることで、奇跡は起こせるのかもしれません。
共感できる歌詞に涙が出る人も多いといわれる本作。
この曲をきっかけに、大切な人への向き合い方を見直すのも良いかもしれません。