すれ違いの二人を描いた楽曲
今回詳しくご紹介する曲はAqua Timezの「いつもいっしょ」。
すれ違う二人を描いた涙必須の名曲です。
しっとりと歌われる歌詞と切なさを誘うメロディがとても印象的な本楽曲。
最後に二人を待ち受ける結末とは…?
歌詞の解釈とともに曲のメッセージを一緒に紐解いていきましょう。
それでは、早速歌詞の解釈から見てみましょう。
歌詞を解釈してご紹介
ありったけの勇気で
僕は目を反らされるのが嫌で 自分から目を反らす男の子です
ありったけの勇気で君の小さな手を握りしめた
君は手を離されるのがこわくて 自分から手をほどく女の子です
ありったけの勇気で僕の手を握り返してくれた
出典: いつもいっしょ/作詞:太志 作曲:太志
この歌の登場人物は二人、男の子と女の子。
自分から目を自然に反らしてしまう男の子。
体の中にある勇気をかき集めて、ありったけの勇気に変えて手を握ります。
思いを寄せる女の子の手です。
でも女の子も少し癖がありました。
自分から手を離してしまう癖です。
女の子は先に振り払われるのが嫌で自分から離します。
始めはぎくしゃくしながらも、二人の手は触れ合い、握り合います。
女の子もありったけの勇気で男の子の手を握りました。
お互い不器用ながらも、思いを伝え合います。
優しく、温かい二人の思い。
手を握り返してくれたときは、なんと嬉しかったでしょう。
二人の思いが通じ合い、心地よい感触だったのだと思います。
すれ違っていく運命
上手に伝えられないまま 言葉と言葉がすれ違う
はぐれた手と手はお互いに「さよなら」
という言葉を 選んでしまった
出典: いつもいっしょ/作詞:太志 作曲:太志
しかし、不器用な二人は少しずつすれ違っていきます。
思いは確かに同じ方向を向いていたはずでした。
口下手な二人はなかなか上手く気持ちを伝えられませんでした。
そして、言葉と言葉の歯車が噛み合わなくなっていきます。
最後にはありったけの勇気で握り合った手が離れていく…。
言葉にはしなくても、離れた手が「さよなら」を表現しています。
すれ違う言葉と手と思い。
上手くいかない二人の思いが、悲しいほどに伝わってきます。
もどかしさと歯がゆさ。
二人の意図しない方向へ運命は進んでいくのでした。
二人の運命は…?
「いつもいっしょ」と二人で唱えた 風吹く丘は 僕らにとって
儚く途切れる夢のように 記憶の中で薄れてゆく景色になった
出典: いつもいっしょ/作詞:太志 作曲:太志
かつて二人で過ごした思い出の風吹く丘。
二人で呪文のように唱えた「いつもいっしょ」という合言葉。
昔は昨日のことのように鮮明に思い出すことができました。
しかし、いまはどうでしょう。
夢のように時間が経てば経つほどに記憶から薄れていきます。
ただの景色のように過ぎていく…。
あんなに近くで感じていられた温もりも遠くに。
ただ、後悔の念だけが押し寄せてくるのでした。
二人はこのまますれ違い、記憶から消えてしまうのでしょうか?
夢のように過ぎたこととして忘れてしまうのでしょうか?
愛を知らないまま
あのサヨナラから時は経ち 僕もなんとなくだけど大人になった
愛なんてまだわからないけど 自由と責任を知った
出典: いつもいっしょ/作詞:太志 作曲:太志
男の子は、成長し大人になりました。
二人がすれ違ってから、大分時間が経ったようです。
離れた手が選択した「サヨナラ」。
まだ男の子はあの日のことを覚えています。
なんとなく時間に流され、それとなく経験を積んできました。
愛については、学びませんでした。
きっと、離れた手が愛を学ぶことも選択しなかったのでしょう。
ただ、自由と責任は一人前に知ることができました。
それはまるで、一人で生きていくための術のように感じます。
やはり、二人はもう二度と交わることはないのでしょう。
大人になった男の子は愛を知らず、このまま生きていくのです。