強がりととるか、終わった愛の否定ととるか、それは聴く人次第
さて、最後まで残った謎が2点あります。
「疲れ果てたあなた」が「私の幻を愛した」こと。
「Making good things better」が複数形であること。
ここでもうひとつ思い出してもらいたいのが「時を重ねただけ」というフレーズです。
毎年高価なカトレアを贈り続けるような「優しい」彼が疲れ果てたのは何故でしょう。
彼女は彼のことを「優しい人だったみたい」と言っていましたよね。
彼が優しさだと思って彼女にしてきたことは、彼女の望む優しさではなかったのでは?
それを象徴する出来事が「毎年カトレアを贈る」ことだったのだと推測できます。
高価な花よりももっと欲しいものが、彼女にはあったのでしょう。
でもそれは、彼に伝わらなかった。
彼は、彼の中にだけ存在する彼女=「私の幻」を愛し、その幻に向けて優しさを重ねます。
報われない優しさを重ねていく彼は、どんどん疲れていきます。
それを見つめる彼女は、現実の自分を愛してくれない彼への愛が冷めていったのでは……?
「Making good things better」が複数形である意味について。
良いことをもっと良くしようという意味でしたね。
恋人同士にとって一番「良いこと」って何でしょう? それはやはり「愛情」です。
それならば、単数形になりそうなものです。
でも彼は、自分の中にある「幻」に対する「優しさ」を重ねていくばかり。
もうすんだこと……彼女からすれば、無駄に時を重ねただけだったのでした。
彼にとって良いことだった「優しさ」「無駄に重ねた時」これらを指すならば、複数形になるというわけです。
さて、この彼女は本当に彼に対して嫌悪感まで持つようになったのでしょうか?
そう解釈しても間違いではないでしょう。
でも、星を数えつつ彼の顔を思い浮かべるというシーンもありましたよね。
そこを考慮し、強く否定するような言葉で強がっているというようにも考えられます。
いずれにしても、失った恋を嘆き悲しみ落ち込んでいるようではありません。
「私らしく一日を終えたい」という、切なくも凛とした姿が見えるようです。
まとめ
名曲「オリビアを聴きながら」について、様々な角度から迫ってみました。
この曲が流行った当時を覚えている人も、初めて知ったという人も、是非カラオケで楽しんでみてください。
歌いながら、今回迫ってみた歌詞の内容についてほんの少しでも思いを馳せてもらえれば嬉しいです!
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