「人類の愛」こそが神の力を持ち得る。
その力の源泉は「祈り」なのだとわかります。
一方で力及ばず神の力に頼らざるを得ない切なさも伝わります。
神は人の心の中にあります。
前出の歌詞の「闇の時代」と対決するものとして「神の刃」が登場。
闇と光の強烈な対比。
それが「マブラブ オルタナティブ」の世界観の陰影を浮き彫りにします。
天命(さだめ)に導かれ、戦いに斃れた戦士への鎮魂歌(レクイエム)
立ち上がれ
気高く舞え
天命を受けた戦士よ
明日の平和への礎となれ
出典: 未来への咆哮/作詞:影山ヒロノブ 作曲:影山ヒロノブ 編曲:須藤賢一
平和の礎
ここでは「天命」のために犠牲となる無名の戦士たち。
彼らの死のイメージが立ち上ります。
明日の平和のために「礎」となる。
それは自らの命を犠牲にするということを意味しています。
天命とは天に導かれるものではなく、明日の平和のために自らが決意するもの。
そういった思いも読み取れます。
だから主題歌のタイトルは「未来への咆哮」なのです。
熱くなれ
大きく咲け
天に捧げし命よ
弱き者の盾となれ
そして世界を導け
出典: 未来への咆哮/作詞:影山ヒロノブ 作曲:影山ヒロノブ 編曲:須藤賢一
戦士はなぜ戦うのか?
「未来への咆哮」では戦うことの意味が繰り返し歌われます。
そのように人類のために犠牲となる命は何によって報われるのか?
人類を守る戦いの中で自分が熱く立ち向かうこと。
たとえ短い人生であっても生きている一瞬で大きく咲かせること。
それが生きた証です。
そして何よりも自分たちが守るべき弱いものたち。
女性や子供。
明日の地球を託す子孫を守ること。
たとえ命を捧げることとなっても、それは報われる。
そう信じたいという切なる思いが伝わってきます。
もう戻れない平安の日々、二度と逢えない愛しい人のために戦う決意
きらめく星の海に
浮かぶ おまえの面影
二度と逢えない愛ゆえに
なお いとしい
出典: 未来への咆哮/作詞:影山ヒロノブ 作曲:影山ヒロノブ 編曲:須藤賢一
主人公・武の決意
戦いの合間、悲惨な運命の中でも空の星は美しい。
その星をつなぐように浮かび上がるのは愛しい人の面影。
もうその世界に自分は戻れない。
そう想うからこそ一層愛しさが募ります。
主人公・武のみならず、無数の無名の戦士たちの思いが描かれます。
明日からまた戦いが始まる。
そしてその戦いは、愛しい人を守るためのもの。
だから、勇気を振り絞って戦える。
そんな戦士の一瞬の休息が胸に迫ります。
背中合わせの世界
重ね合えない現実
涙とともに捨て去れ
なにもかも
出典: 未来への咆哮/作詞:影山ヒロノブ 作曲:影山ヒロノブ 編曲:須藤賢一
「背中合わせの世界」
それは、まさに武を翻弄する「平行世界」の象徴です。
それは隣にあるはずの同じ世界。
愛おしくてすぐそばにあるようで2度と戻れない安息の世界。
泣きたいだけ泣いて、今の現実を生きる決意が込められています。
「未来への咆哮」はパンドラの箱の最後の希望
さぁ 振り返らずに
風になれ
痛みを越えて
駆け出せ!
出典: 未来への咆哮/作詞:影山ヒロノブ 作曲:影山ヒロノブ 編曲:須藤賢一