「荒野」とは、生命の本源の世界を顕(あらわ)しているのでしょうか。
人の心も命も、死によって、生命の本源に戻っていくのでしょうか。
亡くなった祖父や祖母に見守っていてくださいと祈る世界から 父親が応(こた)えている気がする歌詞です。
PVに見る主人公は、幼少時代からの父との思い出をたどります。
“自転車に中々乗ることが出来ない幼少の時代、父は、来る日も来る日も教えてくれた思い出。
少し乗れるようになると、ゴール地点で両手を広げ待ち続けてくれた父。
楽しかった食事会やプリクラや父の写真の想い出。釣りやピクニックの思い出。”
そのような平凡なことが幸せだった!と思わなかったと述懐しています。
思春期になったころから、多くの男の子が、父親の当たり前の説教に反発し、家を飛び出したこと。
父親の話が、自慢話に聞こえ、注意を束縛と感じた日々を主人公も体感してきたのでしょうか。
父を亡くした主人公は、PVの中で、父への孝行どころか親不孝で終わったことを悔い続けています。
1番Aメロで父親は、主人公を責めるどころか、大切な生き甲斐であったと告げるのです。
望みは何かと訊(き)かれたら 君がこの星に居てくれることだ
力は何かと訊(き)かれたら 君を想えば立ち直れることだ
出典: http://www.uta-net.com/song/118513/
父の願いは、主人公に、この地球で生き続けてくれることだと告げます。
お父さんは、寂しくないの?という主人公の思いに、主人公を想えば立ち直れると告げています。
言外に、お母さんを頼むという父の思いが感じられました。
② 「誓い」
僕は走っているだろう 君と走っているだろう
あいだにどんな距離があっても
僕は笑っているだろう 君と笑っているだろう
あいだにどんな時が流れても
出典: http://www.uta-net.com/song/118513/
1番Bメロで、父は、いつも主人公と共に生きている。自転車の練習の時のように、いつも一緒に走っている。
形の上では、死が訪れても、いつも主人公の笑顔を見つめながら生きていると歌詞は伝えていると思えました。
お父さんは、主人公が、家に帰ってこない期間がどんなに長く続いても、楽しく遊んだ幼き日のように、 団らんの日々が 甦(よみがえ)る日を信じてただ待っていらしたのでしょうね。
③ 「前へ!」
荒野より君に告ぐ 僕の為(ため)に立ち停(ど)まるな
荒野より君を呼ぶ 後悔など何もない
出典: http://www.uta-net.com/song/118513/
このサビの言葉は、父親からの応援歌であると思いました。
父として主人公に告げる。父の死で立ち止まるな。自分を信じて、前に進め!
父へのことで自分を責めるな!後悔することなど何もない! 全てが、人生の学びの途中なのだ。辛いことも、未来を切り開く力になるのだと主人公に伝えている気がしました。
④ 「苦難」
朝陽の昇らぬ日は来ても 君の声を疑う日はないだろう
誓いは嵐にちぎれても 君の声を忘れる日はないだろう
出典: http://www.uta-net.com/song/118513/
2番Aメロは、様々な困難に出会っても、父は主人公を信じ続けるというメッセージだと思いました。 主人公が、例え、世間的な成功が、なかなかできない時も、父は主人公の願いを疑うことはない。
誓いの言葉が、様々な苦難で出来なかった時も、父は主人公を信じ続けると歌詞は伝えていると思いました。
⑤ 「光」
僕は歌っているだろう 君と歌っているだろう
あいだにどんな距離があっても
僕は生きているだろう 君と生きているだろう
あいだにどんな時が流れても
出典: http://www.uta-net.com/song/118513/
2番Bメロは、思いを伝えて、父の心に、あの幼き日々の幸せの世界が、去来したのでしょうか。
あれほどあったと思っていた主人公との距離も今はないと感じました。
父は生きてゆく。君の心の中に、いつまでも、いつまでも生きていくというお父さんの心を伝えていると思いました。
⑥ 「悲しみの果て」
荒野より君に告ぐ 僕の為(ため)に立ち停(ど)まるな
荒野より君を呼ぶ 後悔など何もない
出典: http://www.uta-net.com/song/118513/
でも、悲しみは、全てが急には消えていかない。 寄せては返す波のように、主人公の心は、深い父への懺悔(ざんげ)に包まれて行く。
その都度、父のサビの応援歌がよみがえったのでしょう。
その悲しみの果てに、主人公の気持ちに変化が見え始めたことがBメロの歌詞で表現されていると感じました。