中島みゆき「旅人のうた」
本日ご紹介する楽曲は、(月並みな表現ですが)絶大な人気を誇るシンガーソングライター・中島みゆきさんの「旅人のうた」でございます。
中島みゆきさんの楽曲をひとつひとつ丁寧に聴いていると、ヒット曲が素晴らしいのはもちろんですが、タイアップ等になっていない曲の良さもじわじわと感じます。
そして聴けば聴くほど独特だなあと。激情そうでひんやりと冷静でまっすぐな視線でものごとを見つめてらっしゃる。そんな印象を受けます。
「旅人のうた」はタイアップ曲ですが、そんな彼女の魅力をまたひとつ発見できる作品となっております。ぜひチェックを。
収録アルバム
「旅人のうた」が収録されているのは、アルバム「パラダイス・カフェ」です。
同タイトル曲や、タクローこと吉田拓郎さんに提供した「永遠の嘘をついてくれ」のセルフカバーも収録されています。
そしてジャケット写真が品格がありながらもカジュアルでかわいいですね。ついつい眺めてしまいます。
個人的にかわいらしさとかっこよさを兼ね備えているアーティストさんや、中性的な魅力をもった方にはとくに強く惹かれるのですよね…。
年齢に関わらず見た目や笑顔が非常に可愛い中島みゆきさんも、もちろん大好きなミュージシャンです。歌声はかっこいいというギャップがたまらん。
動画はこちら

あの名作ドラマの主題歌…?
「旅人のうた」は、ドラマバージョンの『家なき子2』で使用されました。
『家なき子』という懐かしい響きを久々に聞いてハッとした方も多いのでは?1994年ですから、そう昔の作品ではありませんね。
とくに最終話の視聴率が高かったことで有名にもなった作品で、各エピソードのタイトルのすさまじさが超インパクト大でした。
若い世代の方も、「同情するなら金をくれ!」のセリフは超有名ですので聞いたことがあるかもしれませんね。
筆者は祖母の家にドラマ版コミックスが置いてあり、怖いもの見たさでおそるおそる読んでいた記憶があります。
大人の汚い事情のところは理解できないながらも、例のおにぎりシーンなどショックを受けるシーンは多くあったことを覚えております。
そして中島みゆきさんの楽曲はやはりシリアスものやヘヴィなテーマのものによく似合います。歌声がどっしりしてらっしゃいますものね。
歌詞の意味を紐解く!
それでは「旅人のうた」の歌詞をご覧いただきましょう。
中島みゆきさんの歌詞の言葉選びは、文章を書く者としても非常に勉強になるところが多くあります。
その事実を端的に言い切りながらも、読んだり聴いたりする者に抒情を与える歌詞のすごさは、中島みゆきさんのあらゆる楽曲で感じることができます。
「旅人のうた」も例にもれずといったところで、短い文章の中に濃密に詰め込まれた人生訓や人間の愛が心を打ちまくります。
心のふるさと
男には男のふるさとがあるという
女には女のふるさとがあるという
出典: http://www.utamap.com/showkasi.php?surl=56354
男性にとっては女性、女性にとっては男性、同性愛の方は同性が「ふるさと」でしょう。
そして「ふるさと」は故郷そのものというよりは、帰る場所ということですね。
なにも持たないのは さすらう者ばかり
どこへ帰るのかも わからない者ばかり
出典: http://www.utamap.com/showkasi.php?surl=56354
今流行りのミニマリストやノマドワーカーを連想してしまう現代脳ですみません。
しかし「なにも持たない」から自由に「さすらう」ことができます。
そして「どこへ帰るのか」わからないというのは、単に家なき子のことを意味しているのではなく、おそらく家があっても心のよりどころや信頼し合う人がいないことも意味していると思われます。
「なにも持たない」のは、頼れる人がいないということでもあります。