空に弾けたのは何?
弾けて消えていったもの
弾けて空に ばらまいて
風に運ばれたくらいで 泣かないって
なんてそんな風に 泣いて歩いた
出典: Sparkle/作詞:iri,Kan Sano 作曲:iri,Kan Sano
弾けて空に散ってしまったもの。
それはおそらく、叶えたかった期待や甘い願いなのでしょう。
夢の中では叶えることのできたそれ。
けれど現実の世界では、期待した結果や願ったことを叶えることは至難の業です。
夢が覚めると同時に、空に弾けるように消えてしまう。
そして風に運ばれて、跡形もなくなってしまうもの。
それが、現実での期待や願いなのです。
夢見たようにはうまくいかない。
そのことを噛み締めて、泣かないと強く心を持とうとする。
けれど心とはうらはらに、涙がこぼれてしまうときもあるのです。
いつかはそれを懐かしむ
夜もまだ
懐かしむように drive
揺れる 肝銘な未来
出典: Sparkle/作詞:iri,Kan Sano 作曲:iri,Kan Sano
夜の風景を車でドライブしているような、そんな風景が思い起こされます。
いつか通った道のりを懐かしむような、どこかセンチメンタルな気持ち。
うまくいかない夢や願いを思ったまま、車を走らせます。
肝銘とは、心に刻みつけて忘れられないこと。
そんなはっきりと胸に刻みつけられるような未来は、今はまだ揺れています。
はっきりした未来が見えないまま、私は前に進んでいくしかないのです。
まだ眠る街に
開くことのない「悩み」
物静かな早朝の街中
ブルーのフィルターが 溶けて行く中
開ける準備さえ されちゃいないのは
誰しもが抱える悩みかな
出典: Sparkle/作詞:iri,Kan Sano 作曲:iri,Kan Sano
物静かな街をドライブし、時には自分の足で歩いて。
誰もいない早朝の町中はしんとしています。
夜明け前の日差しは、まるでカメラに青のフィルターをかけたような青みがかった景色。
その夜明け前の青が、日差しでゆっくりと昼間の色合いへと溶けるように消えていく中。
街の中には、開店準備もされないシャッターのおりたままの店もあるのでしょう。
開ける準備さえされない店。
それは心の中にあるけれども開けて中身と向き合おうとはしたくない悩みに似ています。
そんな悩みが誰しにもあると、僕は想像をめぐらせます。
おそらく僕にもそんな悩みがあるのでしょう。
崩れるのは怖くないけれど
崩れてく 残像が 僕らを強く育ててくなら
何も怖くない だけど ほろ苦い
出典: Sparkle/作詞:iri,Kan Sano 作曲:iri,Kan Sano
崩れていく残像とは、前述した夢や願いのことを指しているのでしょう。
夢を叶えようとするとき、すぐになんの挫折もなく叶うことはめったにありません。
多くの場合は何度も夢破れ、願いも叶わない。
それでもそうやって崩れた夢や願いをもう一度追うことで、人は強くなります。
そう思っていれば、夢や願いが叶わないことは怖いことではありません。
けれど、やはり願いがかなわない悲しさや辛さはほろ苦く胸に残るもの。
そういった心の素直な動きを、怖くない、けれどほろ苦いと表現する。
そんな素直な表現に鮮やかな感性を感じる一節です。