神山羊初の楽曲
YouTubeから華々しくデビュー
ボカロP有機酸として活動したのち、2018年にシンガーソングライターデビューを果たした神山羊さん。
MV担当は東洋医学
主人公の身に起こったこと
この物語の結末は?
つまりは好奇心に囚われてたんだ
大切な物なら壊したんだ
出典: YELLOW/作詞:神山羊 作曲:神山羊
実はこのフレーズ、本楽曲の結末を歌っています。
歌詞を見ていくと「主人公が自身の大切な物を自身の手で破壊する」物語だとわかりますね。
冒頭では何故その行為に及んだのか、理由とともに簡潔に述べているわけです。
あえて冒頭で結末を語ることで、主人公にいったい何があったのかと想像を掻き立てられますね。
しかし破壊に対する好奇心が抑えられない状態とは、どういうことでしょう。
それほどまでに主人公を焚きつける出来事があったはずです。それを読みといていきましょう。
主人公の生活を振り返る
明かりの灯らないホールケーキ
木製の君と踊ってたんだ
クローゼットで待った今日も
小さな身体ただ寄せ合って
眠るのさ、変わるのさ
想像容易い安全
出典: YELLOW/作詞:神山羊 作曲:神山羊
ここからようやく、主人公が何かを壊すに至るまでの過程を語り始めます。
一言でまとめてしまえば、主人公は「孤独」でした。
直接的な表現はされていませんが1行目、そして3行目の歌詞を見れば明らかでしょう。
そんな主人公にとって唯一の癒しが、木で作られた人形で遊ぶことでした。
主人公にとってたった1人の友達だったのかもしれません。
4行目からも、主人公がいかにその人形を大切にしていたかが伝わってきますね。
現実世界の孤独に絶えられない主人公は、友達の人形と一緒に空想世界に逃げ込んでいきました。
主人公が受けていた仕打ち
ただ2行目の歌詞は、違った解釈もできます。
それはつまりこの木製人形が主人公の親かもしれない、ということ。
ここから想像できるのは、主人公が両親から虐待を受けていた可能性です。
歌詞2行目、「木製の~」からは感情のないネガティブな印象を受けますね。
対してそこに続く「踊って~」からは、楽しそうな様子やあたたかさが伝わってくるのです。
おそらく主人公が捉える「親」という存在には、愛情などないように見えていたのでしょう。
しかし暴力をふるう親の心は無ではありません。何かしら激しくうごめく感情があるはずです。
暴力や暴言をぶつけられながら、主人公はとても客観的な視点で親の存在を見つめていたのだとわかります。