メジャーデビュー後2作目のシングル

「色香水」は神山羊さんのメジャーデビュー後2作目のシングルとして2020年3月に発売された楽曲です。

TVアニメ『ホリミヤ』のオープニングテーマにも起用されています。

学生の頃の青春や、その時に抱いた恋を思い出させてくれるような、切なさを感じる歌詞が印象的な楽曲です。

メロディも耳に残りやすく、何度も聴きたくなる魅力があります。

MVはYouTubeで公開されているのでぜひチェックしてみてください!

忘れられない思い出

特別な「君」

きっと消えない 今日は言えない
元どおりにはもうできない
あの頃に 君を残したまま

出典: 色香水/作詞:神山羊 作曲:神山羊

歌い出しは過去を追想するような雰囲気から始まっています。

「君」は主人公にとって特別な存在だったのでしょう。

その君に対して、主人公は後悔を抱えているように感じられます。

その後悔とは一体何なのか、この先の歌詞で読み解いていきましょう。

君とともに思い出す匂い

記憶の中では 晴れ間の部屋
惹かれ合えばサラバ
知りたくない
思い出せば今も ふわっと香る
君と僕は同じ 色香水

出典: 色香水/作詞:神山羊 作曲:神山羊

君のことを思い出そうとした時、主人公はともに部屋で過ごした時のことを思い出しているようです。

それはきっと互いに居心地の良い時間だったのでしょう。

その時間を過ごす間に、互いに惹かれ合っていたのかもしれません。

しかし、友人と恋人は違うものです。

これまで友人として仲が良かったとしても、恋人になることができるかどうかは別問題です。

今の居心地の良い関係を続けようと思えば、例え惹かれていても思いを告げることを躊躇してしまうでしょう。

主人公は君との関係を変える一歩を踏み出せず、伝えなかったと推察できます。

君のことを思い出して、同時にそうした淡い青春の思い出も思い出しているのです。

人の記憶の中では、匂いも強く印象に残ります。

君と過ごした時間の中で感じた匂いも、主人公は思い出しているのです。

その匂いに思い出という色がつくことで、主人公にとって忘れられないものになっていると読み取れます。

過ごした時間

ほんの少し 背伸びをして歩いた道
ビードロの靴 移り変わる季節模様

出典: 色香水/作詞:神山羊 作曲:神山羊

このパートも君との思い出の情景でしょう。

子どもとも大人ともいえない年頃であれば、少しでも早く大人に近づきたくなってしまうものです。

恋愛大人に近づくことの象徴的なものともいえます。

主人公と君は互いに恋愛感情を抱きながら、大人になろうと背伸びをしていたのでしょう。

「ビードロ」はガラスのことです。

ガラスが反射する自然光は季節によって柔らかさや温度感は異なるものです。

ともに過ごした季節の分だけガラスの靴は光を受け、季節ごとに違った輝きを放っていたのでしょう。

そしてそのガラスの靴の輝きと、君自身を重ねて考えることもできます。

ともに過ごした季節の分だけ、主人公は君の様々な表情を知っていったはずです。

その表情1つ1つも思い出していると想像できます。

後悔を抱えたまま

言えなかった思い

きっと消えない 今日は言えない
元どおりにはもうできない
あの頃に隠した 本物はどこ

出典: 色香水/作詞:神山羊 作曲:神山羊

1番のサビの前半部分です。

主人公の君への思いは今も消すことはできていないのでしょう。

結局告げることのないままで終わってしまった恋を抱えたままでいるのです。

月日が経てば関係も変化してしまいます。

その変化によって、君と主人公は当時のような関係には戻れなくなってしまったのでしょう。

月日が経ち、隠してしまった思いさえも曖昧なものになってしまいました。

主人公はその思いをもう一度取り戻したいと思っているようです。