「夜空をまとう」というフレーズが非常に甘美です。黒々としひらひらと広がるマントのような夜空にも開放感を感じることと思います。
「新しい世界」は自殺路線でみれば「あの世」。それ以外の意味であれば今いる環境とは違う環境のことを指しているのでしょう。
何が正しいなんて答えは無いさ
枝分れした道 神のみぞ知る
出典: https://twitter.com/Fav_LArc_Lyrics/status/915639902787604480
「枝分かれした道」を「生きるか死ぬか」で考える説もありますが、文字通り枝分かれで考えるのであればここは2本ではなく3本、4本と分かれた道でしょう。2本にキレイに分かれた枝ってのもあるかもしれませんが、なかなか四つ葉くらいレアだと思うのです。
何が正しいかわからないグレー色の世界で、正しい選択肢をチョイスするということは不可能なことです。だからとりあえず前に進んでしまえ、というメッセージも感じることができますね。
自分の正しいと思う方向へ
懐かしい光に導かれて
あなたは優しく手を振る
見なれた 未来にも別れを告げて
壊れた幻想をえがこう
出典: https://twitter.com/taikutsu_bot/status/914526472974483456
「壊れた幻想」というのは自分が狂って描く幻想というわけではなく、いちど壊れて諦めてしまった幻想を描きなおそうということでしょう。
ありがちな未来の選択肢を選ぶよりは、なかなか叶わない困難な道でも自分の望む選択肢を選んだほうがいい。それが自殺しかないのであれば仕方ないかもしれませんが、生きていれば道は開けます。
定められた運命を切り裂いて空へと抜け出そう
出典: https://twitter.com/larc_lyrics/status/914318242495086597
飛び降りました!という結末で解釈をすれば後味が悪いだけですが、未来へ向かう姿勢という視点から見れば非常にスッキリと清々しい結末になっています。
「DIVE TO BLUE」の個人的解釈
死を意識する機会を与えてくれる作品
PVやジャケットデザインなど全てを考慮していえることをひとつ。
「どう生きるか」について考えることは、すなわち「どう死ぬか」を考えることでもあります。現代の日本では、「明日死ぬかもしれない」「今日は人生最後の日」という恐怖を感じることはとても困難です。
そんな緊張状態にない日常で、「死と隣り合わせの生」というものを再考する機会を与えてくれるのが「DIVE TO BLUE」だと思うのです。
生を受けたものは必ず死ぬ宿命にあります。しかしなぜ現代社会に生きるわたしたちは深く「死」を考えることなく「生」の熟考すら怪しいのでしょう。誰もが平等に経験することになる死をタブーのように扱うメディアなども存在します。
死は生き物すべてが等しくもつ結末ですから、死を悪いものだとタブー視するのではなく、意識することに重きを置くべきでしょう。
また、「長生きがいい」と一辺倒に推奨する現代社会の価値観は本当のものなのかと考えさせられます。長生きしたとしても、その人の死の瞬間にその人のすべてが跡形なく消えてしまったとしたら?生きた証を残すことなく死んでしまったとしたら?
BLUE=自由
正直、個人的にはこの曲が自殺の曲という印象は受けませんでした。大学の軽音サークルのライブでのコピーが「DIVE TO BLUE」を初めて聞いた機会でしたので、純粋に未来を歌ったキラキラソングだと思っていたのです。
CDジャケットとタイトル、そしてPVがそう思わせてしまうのであって、原曲だけ切り離して考えれば到底そんな曲だとは思えないのです。
飛び降り自殺がテーマというのは明らかではありますが、それだけではただ新奇をてらっただけの曲で終わるわけでありまして。自殺を歌った曲という解釈だけではあまりにも浅はかではありませんか。
むしろ起死回生の曲という解釈をしたほうがいいのかもしれません。
頑張って努力を重ねてゴールに到達した、その先どうしよう。じゃあいっそ頂点から飛び降りてみよう。そうすればまた違う世界で再スタートを切ることができるだろう。
お先真っ暗だから飛び降ります、ではなく、これからを進むためにいったん飛び降りてみようということでしょう。もちろんリアルに飛び降りたら人生終了ですが、目標を達成したらまた違う目標の麓から登り始めることに終わりはありません。
また、BLUE=自由と考えれば、だれかが用意してくれた目標(作風)を自分なりに納得して達成したけど、これからは自分の好きな目標(作風・音楽)を目指すという想像(妄想)もできます。
青空を見ているとあの空のむこうには自分の望む世界があるのかもしれない…なんて思ったことがありませんか?
まとめ
以上、「DIVE TO BLUE」の歌詞解釈をご覧いただきました。
この作品をきっかけとして、今日はどのように生きるのか、もし明日死んでしまうとしたら今何ができるのか、そしてどのように生きどのように死ぬのか考えてみてください。
死への考察を深めることは生への考察を深めることとイコールですからね。
そして目標の次にはまた新たな目標が待っていますが、壁を飛び越えるたびに自由を掴むことができます。現状に行き詰まったら、またスタートに戻る勇気ももちましょう。
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