さっきのは冗談よ
余計に遠ざかる
もどかしい言葉は
低気圧のせいだ
覗き込んでみたって 鏡は鏡
水たまり 独り言だよ
出典: パステルレイン/作詞:堀江晶太 作曲:堀江晶太
自分の発言を後で悔やんでいるようです。
そして、思うように振る舞えなかったことを「低気圧で調子が悪いせい」と言い訳しています。
思春期の情緒が安定しない時期は、突発的な発言だって出てしまうでしょう。
それは本心であることもあれば、本心でないことも…。
自分の行動が上手くコントロールできず自己嫌悪に陥っているのかもしれませんね。
上手くコントロールできない
こだまして 反射して
ふとした瞬間にときめいて
平然なんてきっと思う程
上手く出来そうにない
かなしいほどに
出典: パステルレイン/作詞:堀江晶太 作曲:堀江晶太
目まぐるしい情緒の移り変わりがうかがえます。
毎日様々な感情が湧き上がり、支配されて、振り回されている…。
本当は冷静に物事を受け入れたいのに、それができないことを悲しんでいるようです。
自我が強くなる思春期は、同時に感受性も強くなり、このような状態を引き起こしてしまいます。
ところで少女は、どうして心を掻き乱されているのでしょう?
「ときめき」というのは恋愛感情を連想させる言葉ですね。
「君」との関係性
葛藤の正体とは?
止まない雨は無い
なんて君は言う
ならもうちょっと私
濡れていくわ
何もかも洗い流してはくれないけど
パステルレイン
滲ませてしまったのは
曖昧な今が ただ愛しいから
聞かないで 本当のとこなんて
知らなくっていいよ
出典: パステルレイン/作詞:堀江晶太 作曲:堀江晶太
「辛いことばかりが続くことはないよ」という意味の言葉がけを「君」から受けたようです。
少女の事を想いやってくれる存在がいるのですね。
そこで少女は、しばらく「雨に濡れる」という選択肢を選びました。
この「雨に濡れる」という状況からは、しばらく「憂鬱な気持ちに浸る」という意味が推測できます。
あるいは、雨に紛れて涙を流しているのかもしれません。
鮮やかなパステルカラーのはずの雨を滲ませてしまった、心の中の葛藤。
それは「曖昧」な状態のせいと言っています。
つまり、恋人でも友達でもない「曖昧」な関係性が彼女を悩ませている…。
彼女は「君」に恋心を伝えられずにいるのです。
叶わないと分かっても祈る
あさっての方向ね
思惑なんてさ
大抵逸れてしまうもの
だけど祈ってしまうの
君も同じ風に
思ってるとしたら
それは素敵な事だろうけど
出典: パステルレイン/作詞:堀江晶太 作曲:堀江晶太
「君と両想いになりたい」という淡い期待を抱くも、それが叶うと思えない…。
少女は「期待すればするほど結果は遠ざかるもの」と思っているようです。
過去の出来事から学んだのでしょう。
失敗が怖いから最初から告白を諦めているように見えます。
ですが、心の底では両想いを祈っている。
そんな矛盾した心の状態だからこそ、余計に辛くなってしまうのだと思います。
運命が2人を引き離す
絶対は無いと言う
その口元を いま塞げたら
けど叶わない
運命のいたずらなんて
もう 思わないよ
出典: パステルレイン/作詞:堀江晶太 作曲:堀江晶太
ここでも「君」とのやりとりを回想しています。
「君」の「絶対なんてないよ」という発言。
これは、落ち込んで見える少女を励ますために向けられた言葉なのかもしれません。
筆者の想像ですが、この2人は離れ離れになってしまうのではないでしょうか?
転校してどこか遠くに行ってしまうとか…。
あるいは、進学と共に離れた地方へ行ってしまうとか…。
「離れ離れになってしまっても、絶対に会えないなんてことはないよ。僕たちの絆は永遠だから。」
そんな温かい声掛けが、少女の心には痛いほど沁みるのではないでしょうか。