爽やかな曲とは相反する歌詞に注目
この楽曲は、1991年に発売されたスピッツ初アルバム『スピッツ』に収録。
全12曲中の2曲目にある楽曲です。
この曲は、スピッツのメジャーデビュー前からあった曲で長年歌い続けられています。
そんな【海とピンク】には難しい表現が多いです。
例えば、タイトルについても色々な想像ができてしまうと思います。
この曲を何気なく聴いている分には、スピッツの爽やかさ満載の曲のようです。
ですが、歌詞を読みながら聴いてみると、悲しい心情なのがわかります。
ムフフな表現もたくさんありますが、本当に伝えたいのはそこじゃない。
辛い男心のようなものなのでしょうか。
それは、読み解くうちにわかっていくと思います。
この記事を読んで、少しでも歌詞の面白さを知ってもらえると嬉しいです。
今回はこの楽曲の謎を読み解きながら、スピッツの魅力に触れていきましょう。
まずは、1番の歌詞から謎を解き明かしていこうと思います。
夢のような状況に…
1番では、男性と女性のイチャイチャしている様子が歌われています。
この歌詞には謎が多いといいましたが、1番から謎が多いです。
さっそく読み解いていきましょう。
男性にとっては夢のよう…?
ほらピンクのまんまる 空いっぱい広がる
キラキラが隠されてた
出典: 海とピンク/作詞:草野正宗 作曲:草野正宗
1行目の歌詞から、どういうこと?と思う方もいるのではないでしょうか。
この「まんまる」とは「ピンク」という表現で大体の方が理解したと思います。
この場合は、女性の胸部に当たる部分でしょう。
この曲中の男性は、そんなまるいものが目の前にある状態です。
男性と女性がすごく密着しているというところでしょうか。
宝石のような、輝きを放つ夢のような状況なんだと思います。
もしくは、これから夢のような時間を過ごすことができるんだ…。
そのような男性の心情を感じ取ることができます。
お相手は魔性の女?小悪魔ちゃん?
繰り返し遊んだら すぐそばで笑ってた
毒入りケーキのカケラ
出典: 海とピンク/作詞:草野正宗 作曲:草野正宗
この曲中の男性は、肝心なことは何も言わず、女性と関係を持つことに夢中でした。
この女性もされるがまま、受け入れていたのでしょう。
ですが、さすがにしびれを切らした女性は呆れて「笑ってた」のです。
「笑ってた」というのは、含んだ笑いでもあるように感じます。
それはなぜかというと、女性が「魔性の女」だからです。
2行目の「毒」とは、きっと時間が経つと効くようなものなのでしょう。
少し食べただけでも効力は強く、男性はその毒に侵されていきます。
この場合の「毒」は女性の「魅力」であると思います。
その魅力に触れた男性は、たちまち虜になってしまうくらいです。
少し(カケラを)口にしただけで、忘れられないほど。
ですが、時間が経った頃に効くようなものですから、男性は気付きませんでした。
泣いているの?怒っているの?
ここの歌詞部分では、男性のふがいなさが悲惨な結果に繋がります。
どっちつかずでフラフラとしている、だらしない男性の様子を見ていきましょう。
泣いているような、怒っているような
しんしんと花びらも
指先で冷たくふるえてる
出典: 海とピンク/作詞:草野正宗 作曲:草野正宗
この部分では、女性の様子を表しています。
1行目にある「花」は女性を意味している言葉です。
そんな女性に触れたときの感触などが現れています。
「しんしん」というのは、冷たいさまや静かなさまを表す言葉です。
そのため、この場面では女性に触れたとき「静かに震えていた」となります。
この様子は、泣いていたのか怒っていたのか、それとも笑っているのか。
上記の歌詞で触れたように、含んだように笑っていそうな気もします。
また、この女性がどう思っているのか、男性にはさっぱりわからないようです。
この後、男性と女性の関係は、どうなるのでしょうか。