はじめに
「Mr.Children」といえば、日本を代表するロックバンドです。
筆者は「名もなき詩」や「シーソーゲーム 〜勇敢な恋の歌〜」がリリースされた時期にちょうど学生時代だったので、リアルタイムで彼らの音楽に接してきました。
今回は膨大な楽曲の中から、比較的初期、中期のおすすめバラード曲をランキング形式で発表していきたいと思います。
また、「Mr.Children」がなぜ「Mr.Children」になり得たのかを解明するために、楽曲のコードも解説します。
第10位『花 -Mémento-Mori-』
第10位は『花 -Mémento-Mori-』です。
名盤中の名盤、5thアルバムの『深海』に収録されています。
イントロのGIBSONによるギターストロークが印象的な曲です。
「Mr.Children」のなかでは比較的シンプルな曲です。
しかし、シンプルさの中に力強いメッセージがあります。
副題「メメント・モリ」とは?
メメント・モリ(羅: memento mori)は、ラテン語で「自分が(いつか)必ず死ぬことを忘れるな」という意味の警句。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/メメント・モリ
副題の「メメント・モリ」とは、言わば「生の中に死が介在している」ことです。
普段、「死」を意識していない人間に対する警句であり、この副題があることで1日1日を大事に生きようという彼らのメッセージがくみ取れます。
劇的な展開を見せるCメロ!!
やがてすべてが散り行く運命(さだめ)であっても Ah Oh Yeah
出典: 花 -Mémento-Mori-/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿
Cメロの前に短い間奏が入りますが、ここからCメロまでがこの曲の聴きどころです。
「The Beatles」の記念碑的アルバム「アビイ・ロード」に収録されている『I Want You (She's So Heavy)』の急展開を思わせるリフは、この曲がただ単に耳障りの良いバラード曲に終わっていない一番の理由です。
サビのコード進行がブレイクの理由!!
第9位『君がいた夏』
G Gmaj7 C Cm7
おもちゃの時計の針を戻しても
Em A7 A#dim
何も変わらない
D G
Oh I will miss you
出典: 君がいた夏/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿
上記に引用したのはサビ後半部分の歌詞とコードです。
「何も変わらない」の「い」にA#dim(エーシャープ・ディミニッシュ)が使われています。これがこの曲の一番の聴きどころです。
通常A7のあとにはDなどが使われますが、あえてこのコードにしたことで緊張感と寂寥感を曲にもたらしています。
また、今までの日本のロックバンドでこういったコード進行を、しかもポップスの文脈で使用したバンドはいないと思います。
こういった今までにないコード進行を使用したこと、それが「Mr.Children」がブレイクする要因だっだと思います。