それでも「君」にこだわり続ける主人公。

苦しいのも当然といえます。

「走れ」というのはすなわち「お前は生きろ」という外からの声。

走ったら何が起きる?

走り続ければ「君」は帰ってくる?

そんな魔法のようなことは起きません。

自棄になった主人公は「いきたい」と叫び続けます。

死を連想する言葉まで出てきて驚かされますが、最後は「生きたい」とありホッとしました。

現実と向き合い始める

Hello, hello
愛しい人
昨日までの夢のこと
魔法がとけたこの世界で
僕は君を探したよ

出典: ツキヨミ/作詞:ヨシダタクミ 作曲:ヨシダタクミ

「君」のいない現実を少しずつ受け入れ始める主人公。

「魔法がとけた」という言葉がそれを物語っています。

探して、見つからない、それが現実の世界なのです。

Hello, hello
愛しい人
君の声を聞かせてよ
夢の中でもう一度 巡り会えたら
僕の涙を渡すから
瞼の裏側で
君の心1つだけ
連れていくよ

出典: ツキヨミ/作詞:ヨシダタクミ 作曲:ヨシダタクミ

現実に生きることを選択した主人公。

最後の願いのように呟きます。

もしかしたら、夢の中の再会すらかなわないかもしれない。

夢でもし会えたら、それを永遠のものにしたい主人公。

涙と引き換えに心をもらうと宣言します。

きっと、それすらかなわないことを知った上での言葉なのでしょう。

だとすれば、これは純粋に「もう泣かない」と宣言したいのかもしれません。

ただただ「淋しい」

以上、歌詞を順に読んでいきましたが、いかがでしたでしょうか。

「君」のいなくなった世界を悲しみ、もう一度会いたいと願い、そして夢での再会に涙する。

あえて厳しめに書くと、ひたすら主人公の弱さと甘えを歌っている、そんな風に感じてしまいました。

ただ、それだけ「君」を失ったのが突然だったのかもしれません。

そして、主人公の喪失感は、ここで繰り返すまでもなく相当なものといえましょう。

ただ、歌詞の中で「生きたい」とあるところに、主人公のこの先の人生にかすかな希望も見いだせます。

共感する人が続出

こちらはTOYSFACTORYJPによる公式YouTube動画です。

MVに寄せられたコメントを見ると、歌詞の内容に共感しているという趣旨の声が多く見られます。

「死」に限らず、何かしらの理由で「別れ」を経験した方。

その喪失感をおぼえている方には「ツキヨミ」の歌詞はとても響くのかもしれません。

単なる「弱さ」や「甘え」では割り切れない、そんな切ない思いを描いている曲といえます。

ちなみに、MVに登場する熊のようなキャラクターは「pasくん」。

phatmans after school時代のメンバーは顔出しをしておらず、このpasくんがメディア代表になっていました。

sajiになってからは、全員が顔を出して活動しています。

「phatmans after school」改め、「saji-サジ-」のオフィシャルサイト。圧倒的で叙情美あふれるメロディーライン、葛藤や憂いをストレートに表現した歌詞で多くの支持を受けている北海道出身の3人組バンド。

こちらの曲はいかがでしょうか?

別れと悲しみを描いた「ツキヨミ」。

歌詞では明らかにされていませんが「君と僕」の間にはおそらく男女の恋愛関係もあったように思います。

そこで、このコーナーではOTOKAKE内にある恋愛と別れを描いた楽曲解説をご紹介いたします。

西野カナ「My Baby」

【ツキヨミ(phatmans after school)】歌詞を解説!愛しい人との切ない交信に…涙の画像

西野カナさんの「My Baby」は失恋を描いた楽曲

死の別離とは少し異なりますが、その喪失感や主人公の未練という心情は通じるものがあります。

失恋をしたことがある方は多いかもしれません。中には付き合ったものの別れてしまい、相手を忘れられないという方もいるでしょう。西野カナの「My Baby」は、そんな元恋人への儚い思いを歌った失恋ソングです。