2019年、クルー待望の新曲を発売!
2019年3月に発表された浦島坂田船の「誠-Live for Justice-」。
イントロ部分から和の曲調がなんとも斬新です。
浦島坂田船はご存知の通り人気の歌い手4名からなるグループですね。
それぞれが声優やサラリーマンとしての活動をしながら、歌い手としても活動しています。
作詞作曲なども自分たちで行い、ネット配信で人気に火が付きました。
2次元の域を超え、2.5次元のファンを魅了して止まないグループです。
そんな浦島坂田船が2019年の春に発表したこちらの楽曲は、本人たちの作詞作曲ではありません。
今回はなんと!ヒャダインこと前山田健一さんが楽曲提供を行っています。
随所に古き良き日本の美しい言葉や、武士の句がちりばめられており斬新な仕上がりといえるでしょう。
さらに「誠-Live for Justice-」と書いて読み方は“ジャスティス”!
このあたりもヒャダインさんのセンスが光ります。
モチーフは新選組
江戸時代の幕末に「誠」の青い旗を掲げて反幕府勢力を取り締まった、京都の護衛組織「新選組」。
組織の長であった近藤勇をはじめ、土方歳三や沖田総司で有名ですね。
京都の警察組織に手を貸して反幕府勢力を取り締まっていた彼らは、旧幕府の一員です。
この時代の物語はとてもドラマチックなため、これまでも多くの映画やアニメの題材となりました。
例えば人気漫画からアニメにもなり、実写映画にもなった「銀魂」。
アニメで新選組の人物像や時代背景を描かれることが増えたため、好きな方も多いのではないでしょうか。
そして何を隠そう「誠-Live for Justice-」はこの新選組をモチーフとしているのです。
歌詞内ではセリフが登場してくるので後ほど紹介しますが、出てくるのは次の4人。
近藤勇、沖田総司、土方歳三、伊東甲子太郎です。
皆さんもよくご存知の有名なフレーズも出てきますのでお楽しみに♪
それでは早速気になる歌詞を見ていきましょう。
「誠」とは正義のために生きること
沖田総司が土方歳三に向けた想い
有限なる焔
如何なる色にするかは
己次第
「動かねば闇にへだつや花と水」
出典: 誠-Live for Justice-/作詞:前山田健一 作曲:前山田健一
ここでの最終行、セリフ部分は沖田総司の「辞世の句」から引用。
(辞世の句など存在しないねつ造であるという説もあります)
歌っているのはうらたぬきさんです。
闇は死を意味し、花は自分そして水を土方歳三と表現しているといわれています。
この句の意味は“あなたのために戦い仕えたい、いずれは死が2人を別つのだから”。
沖田総司と土方歳三といえば、今でいうボーイズラブ的な関係だったという説もあります。
この時代、実はそういった関係は珍しくありませんでした。
さらにこれは土方歳三の句に対する返歌である、ともいわれています。
諸説あるので真実は本人のみぞ知る…ではありますが、そうだと仮定してみましょう。
「花を自分」と例えるのも、イケメン剣士といわれていた沖田総司らしいですね。
そしてこれは、“死によって花と水が隔たれてしまう”という別れを惜しむ内容です。
焔(ほむら)は、炎または燃え盛る感情と捉えることができます。
自分の中に秘めていて熱く燃える感情という炎の色は、自分次第でどんな色にもできる。
そんな意味です。
この場合は、「誠」を守るための戦いに対しての自分の感情のことだと考えられますね。
新選組での立場に沿って、土方歳三に仕え共に戦う心情が、短い文章で完結に表現されています。
近藤勇の最後の想い
命賭してまで
成就せんと
大義は終に輝く
「只まさに一死をもって君恩に報いん」
出典: 誠-Live for Justice-/作詞:前山田健一 作曲:前山田健一
そしてこの最終行のセリフは近藤勇の「辞世の句」とされています。
ここの歌い手は志麻さんです。
近藤勇といえば鳥羽伏見の戦いに敗れたのち、新選組からも去り罪人として打ち首になった勇者。
切腹しようとしたのを土方歳三に止められ、自ら出頭するも警察に身元がバレてしまいます。
しかし土方歳三たちとは何の関係もないと黙秘を続け、江戸城無血開城に一役買ったとされています。
結果、33歳という若さで処刑されてしまうのですが…。
“まさにこの瞬間、死をもって仕えてきたあなたの恩に応えることができるなら本望です”。
そんな意味合いでしょう。
この内容からも、いかに近藤勇が潔く、男らしい生き様であったかがわかります。
命をかけてまで守りたかったもの。それこそ大義であり「誠(ジャスティス)」なのです。
良く見よ、我らの生き様を
生きとし生ける
有象無象ども
さあ刮目せん
忠貫く生き様
出典: 誠-Live for Justice-/作詞:前山田健一 作曲:前山田健一
古文は現代語と違って難しい言い回しが多く、意味を取り違えてしまうこともあります。
この歌詞の意味を訳してみると、「この世に生きる命あるすべてのもの」に向けたメッセージ。
“さあ見せてやろう、我らの生き様を”のようになります。
忠は真心を込めて物事に取り組むことを指すので、志高くそれを貫いて生きるということですね。
これから行うことへの覚悟が伝わってくる歌詞です。