「Pacific」は2015年のアルバム『THE BAY』収録
『THE BAY』はCM曲で有名になる前のアルバム
「Pacific」は2015年リリースの1stアルバム『THE BAY』に収録されています。
Suchmosが広く世に知られたきっかけは、それから1年経った2016年。
名曲「STAY TUNE」がタイアップされたHondaのCMにより、若者から中高年まで幅広い世代を対象に人気となりました。
そんな脚光を浴びる前のアルバム『THE BAY』は、Suchmosに興味のある読者にぜひ1度聴いてほしいおすすめのアルバムです。
静謐な夜を彩るおしゃれな曲展開とバンドアンサンブルの妙で、最後まで飽きさせることなく楽しませてくれます。
先の活躍を予感させるグルーヴを味わえる
「Pacific」はジャズ、ファンク、ソウルなどのブラックミュージックの要素を含み、洗練されつつも暖かみのあるサウンドが特徴です。
Suchmosと言えば、日本人好みのメロディ路線ではなくグルーヴを重視したリズム路線で知られていますね。
この「Pacific」の素晴らしいところは、伴奏だけでお客さんの体が自然と動いてしまう、フィジカルなグルーヴです♪
洋楽アーティストのジャミロクワイやディアンジェロなどの影響を受けている彼ら。
今後どのようにSuchmosサウンドが進化していくか、とても期待が持てます!
それでは、「Pacific」のPVを御覧ください!
「Pacific」のPVはメンバーのご当地愛が詰まっている

アドリブを効かせたサマーソング
波の音が優しく響き、太陽が水平線に沈む頃。
ドラムとキーボードから自然と曲が始まります。
「Pacific」は一定のグルーヴとテンションをキープしながら、繰り返しの中で中毒性が生まれていくサマーソングです。
曲中ではボーカルのYONCEがささやくように歌ったり、サビでファルセットを効かせたりと即興演奏のように様々な表情を見せます。
メンバー4人で輪になって踊ったり、自転車を漕いだり、キャンプファイヤーをしたりする姿は微笑ましく、バンドらしいですね。
また彼らの地元は茅ヶ崎・横浜市なことから、海の風景がふんだんに盛り込まれており、海で海パン姿になったり、砂浜でくつろぐ姿が見られます。
洗練されたおしゃれなサウンドから都会のバンドと思われがちですが、このPVを観ると違うことがわかります。
次に、歌詞をテーマごとに分けて筆者独自の視点で解説します☆
いたずら心とロマンチックが交差する歌詞
謎めいた歌詞の正体はホテル名
サンセット パシフィック リレー ツーウェイ
パラダイス イリス ピエール サンクルー
誰もがさまようBabylon
無関心なふりしてBut belong
出典: Pacific/作詞:YONCE 作曲:Suchmos
1番の冒頭部分です。
「Pacific」って歌詞がイケてておしゃれだよね、と思ってる読者の方、いませんか?
特に、最初に出てくるカタカナ語が爽やかで外国っぽい、と思ってカラオケで歌うと赤っ恥を恥を掻くかもしれません。
なぜなら、冒頭のカタカナ語はすべてラブホテル名だからです。
横浜、藤沢、茅ヶ崎周辺のホテルなので地元の人は確実にわかってしまいます!
作詞者でもあるYONCEのいたずらなユーモアなのでしょうが、びっくりですね。
確かに、曲のハネた感じとカタカナ言葉のリズミカルな語感は、よくマッチしていますが......。
始めは筆者も気がつかなくて、涼しげで夏っぽくていいね、と思っていました。
ラブロマンスは砂浜の上で
フロリダ マリンブルー アフリカ シーロード
モニカ クリエーション シレーヌ キャッスル
SNSよりBeachで
愛の言霊をささやいて
出典: pacific/作詞:YONCE 作曲:Suchmos
冒頭から引き続き歌われるホテル呪文の後は、YONCEのロマンチックな性格が表れた歌詞になります☆
告白するときは、無機質なスマホの画面上じゃなく、波の音が聴こえる砂浜の上でしてほしい、と歌っていますね。
どれだけ文明が進んでも、大事なセリフは相手から直接聞きたいものです♡
それに、自然が演出するシチュエーションには、人間には作り出せない美があります。