他にない世界観が魅力の「洗脳」

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今回ご紹介する「洗脳」はRADWIMPSが2017年5月10日にリリースしたシングル

「サイハテアイニ」のカップリング曲として収録されているのですが、強い存在感を放っています。

この楽曲「悪」とみなされている側の視点から問題提起を行うところが他にない魅力。

タイトル「洗脳」から非常にインパクトがありますね。

「洗脳」というと宗教やカルト的な意味合いを想像する人が多いかと思います。

しかし、案外私たちの日常生活にも「洗脳」は存在するのかもしれません。

日常生活における「洗脳」とは?

例えば私たちが「一般常識」だと思っていることは一体どう定義づけられたのでしょうか?

テレビやネットなどのメディア、SNS…。

こういった情報から「世間一般では」という概念が作られる光景をよく見かけます。

しかし、これらの概念も視点を変えれば一種の「洗脳」。

始めは疑問に思っていても周囲の声が大きければそれが「正義」だと思ってしまう傾向が少なからずある気がします。

この楽曲ではそんな「正義」を振りかざして主人公を否定する人について歌われています。

なかなか斬新な視点だと思いませんか?

思い返せば現代で語られる歴史も、勝者を「正義」とする視点になっていますね。

「悪」とされる人たちにも、彼らなりの「正義」や「信念」があったはず。

この楽曲では、出てくる言葉一つ一つにも度肝を抜かれるところがあり、とても聴きごたえがありますよ!

独特なPVも見ごたえバツグン

「洗脳」のPVもとても独特で、楽曲の世界観にさらに色どりを与えてくれます。

ぜひ見てみましょう♪

2通りの少年が出てくるのが印象的ですね。

純粋で弱弱しい表情のメイクを施した、白い衣装の少年。

刺々しく反抗的な表情のメイクを施した、黒い衣装の少年。

まるで「天使と悪魔」や「光と闇」を表しているようです。

そして白い少年は赤いバラの花を握り、黒い少年はナイフを握っています…。

PVの中では黒い少年が優勢に見えますね。

この楽曲は人間の「闇」の側面に着目しています。

そのため、人間の2面性の一つである「黒い少年」がより力を振るっているのではないでしょうか。

最後には2通りの少年が混ざり合い、1人の少年が完成します。

途端に音楽が止み沈黙が訪れるのがまた生々しい終わり方ですね…。

それでは歌詞も一緒に解釈していきましょう!

他人からの「批判」

あんただって同じでしょ?

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なぁ 俺が病気だって言える根拠なんかあんのかい
別にあんた喜ばすために産まれてきたんじゃない

あんたとてそうでしょう 臭いものに蓋しよう
信じたいものだけを信じて きたんでしょう?

出典: 洗脳/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎

最初からインパクトのある言葉で始まりますね。

主人公は誰かに「病気である」と批判されたようです。

ここでいう「病気」とはおそらく精神的な意味合い。

予想ですが、相手にとって主人公が「一般的でない」と感じたのでしょう。

そして価値観のギャップを解消できず「お前は病気だ」と言い放ったのだと筆者は解釈しました。

でも、主人公は誰かの理想通りになるために生きてるわけではありません。

そもそも、価値観の相違が出る原因は「理想」に固執しすぎるから。

「理想」と「現実」が合わず期待どおりに進まないからフラストレーションがたまるのです。

「理想どおりでない事柄に目を背けている『あんた』も大差ない。」

自分への批判に対して冷静に反論している場面に見えますね。

傷つき疑心暗鬼になっていく

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少と中と高で必死こいて手にいれた邪見と偏見と
穿ったその思考を 取り払うのにもひと苦労
さぁ今日からはどうしよう あぁちくしょう 有象無象
もう騙されやしないぞ

出典: 洗脳/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎

主人公が学生時代に受けてきた「邪見」や「偏見」。

本来の自分とは違うレッテルを貼られた状況のようです。

これはいわば事実と異なるイメージに「洗脳」されているともいえますね。

そして、度重なる経験が彼を疑心暗鬼に追い込んでいるのも読み取れます。

批判される人生を必死で生き抜いてきたのでしょう。

解き放たれたい?

あんたがたどこさ 庇護さ どこ贔屓かってんで
えっさほいさ生きた結果 これじゃ

仕方ないし 味気ないし いざって時は使えない
君のように 何気なく 『自由』に僕も飼われたい

出典: 洗脳/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎