君は今、人生の大きな岐路に立っています。
「ぼく」のいる人生。「ぼく」のいない人生。
「君」の人生はこのふたつの道に分かれています。
そのひとつ、つまり「ぼく」のいる人生が、まっすぐに伸びています。
人生をたったふたつに分けて考えられるほど、「ぼく」は「君」のとって大きな存在です。
「君」はそれほど唯一無二の存在なのです。
人生は多くの場合、いくつもの道に分かれ、曲がりくねった道です。
しかし、「君」の「ぼく」への人生はまっすぐです。
迷う必要はない、お互いがお互いにとってかけがえの存在なのだと「ぼく」は感じています。
未来に待つ喜び
なだらかな明日への坂道を駆け登って
いきなり君を抱きしめよう
出典: 愛を止めないで/作詞:小田和正 作曲:小田和正
「なだらかな坂道」の向こうにあるのは二人の未来です。
未来に向かう坂道は、あくまでもなだらか。
「ぼく」は「君」と少しずつ、ゆっくりと歩んでいきたいと思っているのでしょう。
それは、今心に傷を負っている「君」への思いやりです。
なだらかな未来への坂道を登り切ったら、いきなり君を抱きしめる。
これまでの「ぼく」から考えると少し大胆な行動にも思えます。
しかしその背景には、過去の傷から少しでも早く「君」を救い出したいという気持ちが表れています。
どこを切り取っても、「ぼく」は「君」の気持ちを第一優先として思いやっています。
過去との決別
新しい恋に踏み出す勇気
愛を止めないで そこから逃げないで
「眠れぬ夜」はいらない もういらない
出典: 愛を止めないで/作詞:小田和正 作曲:小田和正
ここで2度目のサビです。
「ぼく」は「君」に、自分への愛にブレーキをかける必要はない。
だから、その愛から目を逸らさず、しっかりと向き合おうと語りかけます。
「君」にとって「ぼく」との恋愛を始める事は、過去の恋愛との決別。
過去の傷がなければ、躊躇うことなく「僕」の愛に飛び込むことができたのでしょう。
でも今の「君」には簡単な気持ちで踏み切れる決意ではありません。
そんな葛藤の中で揺れる「君」に「僕」は再び語りかけます。
過去に縛られ眠れぬ夜はもういらない。そんな悲しい事はもうやめにしようと。
過去の恋愛の傷を引きずり苦しむ「君」を、もうこれ以上見ていられないと思った「僕」。
「君」には「眠れぬ夜」ではなく、自分との幸福な「甘い夜」を過ごして欲しいと願います。
すべてをそのまま受け入れる大きな愛
愛を止めないで そこから逃げないで
すなおに涙も流せばいいから
出典: 愛を止めないで/作詞:小田和正 作曲:小田和正
「ぼく」は「君」に自分への愛を恐れる必要はないと伝えます。
「ぼく」と恋に落ちても、すぐに過去を忘れて元気になろうとしなくていい。
過去を思い出して泣きたい時があったら、一人で泣かなくてもいい。
そういう時は我慢せず「すなおに」、「ぼく」の胸で涙を流せばいいのだから。
だから、そのままで、傷を抱えたそのままの君で「ぼく」の元に来て欲しい。
「ぼく」は「君」の傷ごと、すべてを受け入れる。
心の傷も二人で乗り超えていこう。
「僕」の「君」への想いは、どこまでも深くまっすぐで、まさに純愛と言えるでしょう。
あまりに澄み切った「僕」の愛が、リスナーの心を痛い程強く揺さぶります。
無条件の愛
ここへおいで くじけた夢を
すべてその手に かかえたままで
出典: 愛を止めないで/作詞:小田和正 作曲:小田和正
「ここへおいで」と「ぼく」は「君」に手を差し伸べます。
過去の恋愛でくじけてしまった夢や愛、心を抱えたまま自分の元へおいでと「僕」は呼びます。
「君」のすべてを受け入れる大きな愛がそこにはあります。
「君」の過去も心に負った傷もすべて、ありのままを愛する。
「ぼく」に心を委ねる「君」も、もちろん勇気が要ります。
「君」の全てを受け入れると決めた「ぼく」もまた勇気が要ったことでしょう。
全てを受け入れると決めた「ぼく」の愛の大きさを感じます。
「ぼく」は、無条件で心から「君」を愛しているのです。
まっすぐに導かれる二人
お互いを結び付ける道
ぼくの人生が ふたつに分れてる
そのひとつがまっすぐに
出典: 愛を止めないで/作詞:小田和正 作曲:小田和正