電車での再会
楽曲「乗り越しラブストーリー」では、電車を舞台にして曲が進行していきます。
始まりは、歌の主人公である「僕」が、以前の恋人「君」と出会うこと。
僕は2人が付き合っていたころの思い出を振り返り、変わらない想いに気づきます。
僕は「君」に声をかけるのか、かけないのか?
気持ちに整理はつくのでしょうか?
最後までときめきと切なさが詰まった、優しい1曲です。
電車で見つけた君
人も電車のよう
ガタンゴトン揺れる僕らは
出会い別れまた恋をして
ドンと構えた僕の切符
乗り越しラブストーリー
出典: 乗り越しラブストーリー/作詞:重岡大毅 作曲:YHANAEL
人は誰かと会い、人生のいくらかの時間を一緒に過ごします。
ですが人生の段階によって、周囲にいる人は変化するもの。
相手との関係性は様々で、家族、友人、恋人などに分かれます。
電車に似ているようにも思えるかもしれません。
電車は線路を走り、駅から駅へと人を運びます。
途中で他の電車とすれ違うことも、束の間同じ駅に停車することもあります。
他の電車と、わずかな時間を共有しているのです。
けれど名残を惜しむことはなく、またお互いが目指す「次の駅」へと発進していきます。
ここでは人を電車になぞらえて、人との関わりを暗示しているのです。
「君」に気づいた僕
「よっ」って言えよはよ
車窓透けた僕赤ら顔
こっち気づいてや
キレイなってる横顔
出典: 乗り越しラブストーリー/作詞:重岡大毅 作曲:YHANAEL
曲のはじめ、僕は1人で電車に乗っていたのでしょうか。
突然、同じ車両に知り合いが乗り合わせていることに気づきました。
その知り合いこそ、以前付き合っていた「君」です。
2人は、現在は別れていることが曲中からうかがえます。
ですが、関係性はそう悪くない様子です。
僕が声をかけようか迷っていることからそれが分かります。
ですが、声をかけるのがなかなか難しそうです。
ここで「君」を見つけることは予想外だったのでしょう。
僕は自分の顔が赤くなっていることに気づきます。
次には祈り始めました。
自分から声をかける勇気はないから、向こうから声をかけてほしいのです。
その祈りが通じている様子はありません。
「君」は僕に横顔を見せるのみです。
しかし、僕は「君」の変化に気づきました。
恋をすると、女性は綺麗になるといわれることがあります。
現在の「君」には、新たな恋人がいるのかもしれません。
気がついた想い
いつだって何だって繋いだ手と手
「めっちゃ幸せ」言うて見つめ合った
目を閉じて思い出ひたっとったけど
ドア開く まだ好きなんや
出典: 乗り越しラブストーリー/作詞:重岡大毅 作曲:YHANAEL
「君」の姿を見たことで、僕の回想が始まりました。
長年の交際だったのでしょうか。
蘇ってくる思い出は、幸せそうなものばかりです。
僕の回想は、ドアが開いたことで一時中断しました。
次の駅に到着したところなのでしょう。
目を開いた僕は、自分の想いに気づきます。
「君」への好意は、別れても消えたわけではなかったのです。
行き先は不明です
ガタンゴトン揺れる僕らは
いったいどこへ向かってるの
出典: 乗り越しラブストーリー/作詞:重岡大毅 作曲:YHANAEL
「君」と僕は同じ電車に乗り合わせました。
けれど、2人は声をかけることもなく、一緒にいるようで、別行動している状況です。
「君」がどこの駅で降りるか、どこへ行くのか。
僕は何一つ分かっていません。
2人は別々の道を歩み始めているのです。
重なっているようで違う2人の道筋が、僕を動揺させています。