THE CHARM PARK【Anyone】歌詞を和訳して意味を徹底解釈！何のために誰を呼んでいる？

2019年11月20日発表、THE CHARM PARKのアルバム「Reverse & Rebirth」。

このアルバムは2014年に自主制作されて今や入手困難な同名アルバムを生まれ変わらせたものです。

3曲の新曲を含んで、幻のアルバムをブラッシュアップしました。

このアルバムに収録されている楽曲「Anyone」の歌詞を和訳して独自な解釈を加えます。

THE CHARM PARKはSSW（シンガー・ソング・ライター）のcharmによる完全ソロユニット。

そのために「Anyone」ではこの世界に独りでいることの怖さや厳しさがテーマになっています。

バンドではうかがい知れなかったcharmの内面にフォーカスが当てられているのです。

夜中、私たちは独りで眠っている際にそこはかとない孤独感を噛み締めます。

なぜ世界で自分は独りだけで生きているのだろうと考え出すと夜も眠れません。

「Anyone」のテーマは多くのリスナーの孤独な心に突き刺さるでしょう。

歌詞は英文が98パーセント、そこにわずかな日本語が加わります。

まずは英文の内容を理解していただくために和訳を添えましょう。

そこに滲む孤独な影について様々な角度から解釈をしてゆきます。

それでは実際の歌詞をご覧ください。

「僕はまったく怖れてなどいないさ 自分自身で下した選択だからね」

歌い出しの歌詞になります。

この時点では簡単な英文ですのでご自身の納得がいくような訳文を当ててみてください。

登場人物は語り手の僕が中心で愛する君も登場します。

その他、様々な人を表す主語が登場するのです。

僕は自分の生き方に忠実な人物なのでしょう。

人生はそのときどきの決断の積み重ねです。

いつも自分が正しい決断をしているといえる人は少ないはず。

ときどきは間違った選択をすることもあるでしょう。

様々な決断を毎日その度ごとに下しているのですが、人は結果というものも引き受けなくてはいけません。

charmは実存主義的な人生哲学を持っているのでしょう。

自分の人生に自身を投げ込んで運命を引き受ける態度を示します。

アメリカ合衆国で過ごしたのですから極端な自己責任原則の社会で育ちました。

こうした社会からの影響も無視できません。

とにかく選択について語っていますが、その後の結果を自分の責任で引き受けられる。

結果がどのようなものでも怖れない、そんな自分を背負う人生観を表現しているのです。

「でも君が今日ここにいないのならば何も意味をなさないな

だってすべては君のためだし 僕は君にとってのすべてだからね」

君への想いが滲むラインです。

いま僕のもとに君はいません。

これが僕の選択の結果でもあるのですから引き受けなければならないのでしょう。

しかし本当は君を失うための選択などした覚えはなかったという気持ちがうかがえます。

人の選択というものはその狙い通りに現実に結びつくとは限りません。

なぜなら他の人の行動・選択とのせめぎあいの中で結果が生まれるからです。

人生が自分の思い通りにはならない。

そう嘆く人は他の人の選択という要因が自分の人生に与える影響をよく考慮した方がいいです。

僕は君と一緒の未来を望んで選択したのかもしれません。

しかし君の選択、もしくは第三者や社会の選択の影響の中でふたりが一緒にいることは叶いません。

現実というものはこのように厳しいものです。

しかし僕の思いは一途なのでしょう。

僕のすべては君に捧げられるべきものと歌っています。

「僕には恥じることなどないよ 自分でしでかしたことなんだし」

実存主義的な人生観の延長の考えなので失敗でさえも背負う覚悟をします。

実存主義的な人生哲学と自己責任原則は同じものではありません。

それでも両者は非常に親しい文脈で絡むことがあり、見極めが難しかったりします。

ただ自己責任原則はときに大きな権力が人々を救済しないことを免罪する議論に使われるでしょう。

アメリカ合衆国でもその傾向は顕著です。

しかしそれは自分の決めることに権力を介入させないためでもあります。

日本社会に俗流で蔓延っている自己責任原則とは性質が違うものです。

アメリカ合衆国固有の開拓者の精神が反映した人生哲学がこのラインで滲んでいます。

自分でしでかした失敗であるから恥じたりするものではないと宣言するのです。

人生も自分のものであるからこそ独りで切り拓いてゆこうとします。

とても立派な思想であり人生哲学でしょう。

それではcharmはこうした人生哲学をバンザイと称揚するためにこの曲を創ったのでしょうか。

答えはとてもそんな簡単なものではありません。

むしろこの先の僕は自分のしでかしたことによって引き裂かれそうな想いに苛まれます。

先を見ていきましょう。