「切れ味抜群」リリックメーカー同士の化学反応!
対するライムスターも切れ味抜群のリリックが武器。
夢のコラボレーションとはまさにこのことではないでしょうか。
日本のポップス界を代表するリリックメーカーたちが、ここに集いました。
そんな彼らが作り上げた「マクガフィン」という曲の歌詞は精緻にして濃密です。
耳をひっかけるようなキャッチーな言葉は、いつの間にかストーリーの中に引きずり込んでくれます。
「マクガフィン」の1番の歌詞を徹底解釈!
1番Aメロ前半の歌詞
真夜中の静寂に紛れる計画
さながらヒッチコックのサスペンス映画
監視の目が街じゅうに溢れかえる世界さ?
決して怠るな 警戒
だが我慢も限界 欲望が決壊
閉じきったドアほど こじ開けたい
誰もが秘密を携帯する現代
もう 正しさだけじゃ生きてゆけない
出典: マクガフィン/作詞:宇多丸,Mummy-D,岡村靖幸 作曲:岡村靖幸
1番Aメロからライムスター・宇多丸のキレッキレのリリックが炸裂しています。
歌詞に出てくる“ヒッチコック”はサスペンスの帝王と呼ばれるイギリスの映画監督。
この歌詞はヒッチコックの代表作、『めまい』や『サイコ』の世界観を描いているのでしょうか。
宇多丸は大の映画好きで知られていて、解説者としても有名です。
彼が好きそうなストーリー性が、早くも浮かび上がっています。
“監視の目”がと言っているので映画『鳥』のように、何かにまとわりつかれているのかもしれないです。
この歌詞の主人公は、そんな世の中で怯えながら暮らしているのでしょうか。
しかし、突然それに耐えきれなくなり、感情を爆発させている様子が伺えます。
そして欲望と秘密のドアを蹴り破っているイメージが続くのです。
携帯で何でもできる時代
歌詞の主人公は、携帯で何でもできる時代を嘆いているようにもとれます。
携帯のカメラや動画撮影機能があれば、誰かを監視することができるでしょう。
自分の秘密は、もしかすると誰かの携帯の中に収められているのかもしれません。
主人公はそんな世の中に窮屈さを感じたのではないでしょうか。
1番Aメロ後半の歌詞を解読!
スタントシーンにも乞うご期待
キミという名の暗号を解読したい
まるでスパイ同士が奪い合う謎のお宝
全部を賭ける価値があるのだから
北北西に進路を取ってスピードアップ
疑惑の影も振り切り旅立つ
知りすぎたボクたちはもうすでにヒートアップ
この奇怪なゲームのリピーターさ……
出典: マクガフィン/作詞:宇多丸,Mummy-D,岡村靖幸 作曲:岡村靖幸
“スタント〜”といっているので、アクションシーンが増えてきたのでしょうか。
それだけ身に危険が迫っている状況なのかもしれません。
2行目は、名前自体が暗号だという意味にとれます。相手はコードネームを使っているのでしょうか。
ただ、“まるでスパイ〜”というワードが続いているので、一連の流れはたとえ話なのだと思います。
全員で一人の女性を奪い合っているような状況なのかもしれません。
“北北西に〜”というのも、ヒッチコック監督の名作映画『北北西に進路を取れ』からきています。
その映画の内容はスパイムービーです。
“知りすぎた”というのも同監督の映画『知りすぎていた男』からきているのだと思います。
宇多丸の映画趣味全開で面白いですね。
この部分の結論は、恋愛はスパイゲームのようで、全てをかける価値があるということでしょう。
岡村靖幸の歌う1番Bメロ
アリバイをミスし
事件級の修羅場にいる気分?
手に汗握るサスペンスワールド?
逃れ逃れてきたぜ
出典: マクガフィン/作詞:宇多丸,Mummy-D,岡村靖幸 作曲:岡村靖幸
“アリバイを〜”といっているので、主人公は何らかの罪を隠しきれなかったのでしょう。
2行目は“〜気分?”となっているので、やはり本当に事件が起きているわけではなさそうです。
ただ主人公は、このスリリングな状況を楽しんでいるように思えます。
果たして主人公はどんな罪を隠しているのでしょうか?
先ほど述べたように恋愛ゲームについての歌詞だとすると、浮気や不倫を指しているのかもしれません。
1番のサビの歌詞を解明!
がってんしょうちな
完全装備しな
あの娘はスパイガール
罠だもん
大成功したい
作戦どおりな
(でも) あなたのせいで
深く遠く水没してしまうロックナンバー
出典: マクガフィン/作詞:宇多丸,Mummy-D,岡村靖幸 作曲:岡村靖幸