【依存症/椎名林檎】歌詞の空欄には何が…？意味を独自解釈！PV集『性的ヒーリング〜其ノ弐〜』収録曲

一人眠っていると、以前は隣で眠っていた彼の寝息を思い出す主人公。

冷凍庫に隠したのは、彼との思い出が詰まった車のキーだと思われます。

彼との思い出を冷凍保存するといった感じでしょうか。

夢を見るたびに登場する彼との思い出が、過去を振り切れずにいる主人公の足かせとなっている様子を描いています。

そして彼との思い出が詰まった車に乗ってやって来たのは「品川埠頭（しながわふとう）」。

埠頭とは、港にあるコンテナターミナルのことです。

朝の五時にそんな場所にやって来た主人公。

何をしようとしているのか、なんとなく想像できますよね。

「今自分が海に沈んだとしても、失うものなんて何もない」

大切な彼を失ってしまった主人公は、生きている意味さえ見失ってしまったのでしょう。

そして彼が隣で相槌を打ってくれることはもう二度とないのに、それを望んでしまう主人公。

この曲のタイトルに込められている意味は、彼との思い出への依存だったんですね。

きっと主人公は思いとどまって、埠頭から引き返して来たのでしょう。

その途中に渋滞に逢った様子が描かれています。

憂鬱な気持ちに反して、今日一日を過ごすにはエネルギーが必要です。

比べ物にはならないでしょうが、サラリーマンの月曜日の朝の心境を思わせますね。

「雲切れの笑顔」とは、ちぎれ雲のような笑顔、すなわちすぐに途切れてしまう、その場しのぎの笑顔のことでしょう。

どれ程その場しのぎの笑顔を浮かべても、心から笑えない主人公の心境は変わりません。

彼の存在だけが、主人公に生きている意味を感じさせてくれるものだったのでしょう。

「例え海にこの身を投げたとしても、天国の彼に会えなかったら、鬱屈とした気持ちが救われることがなかったら、どうすればいい？」

生きることにも、死ぬことにも、意味を見失ってしまった主人公の様子が描かれています。

主人公にとって、彼との思い出がもたらしてくれるものに良い感情はなく、ただ憂鬱な気持ちになるだけです。

失った彼との思い出に依存することが、いかに無益なことかという内容のこの部分。

それでも、主人公は彼を忘れることはできないんでしょうね。

いかがでしたか？

ここまで救いのない内容の楽曲も珍しいのではないでしょうか。

でも、綺麗事を歌わないところも椎名林檎の魅力の一つです。

元気をくれる曲、背中を押してくれる曲も素敵ですが、こういった救いのない物語が見られる曲も、味わい深いものですよね。

今回はそんな椎名林檎の楽曲でしたが、最近の曲はわかるけど、初期の曲はあまり知らないという方も多かったのではないでしょうか？

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