鳴り止まない胸のサイレン
もう君は僕のものでは無くて
愛し合った時間も全部上書きして
消してしまうのかい
出典: サイレン/作詞:清水依与吏 作曲:清水依与吏
「男の恋は名前を付けて保存、女の恋は上書き保存」という言葉をご存知でしょうか。
男女の恋の記憶の仕方の傾向としてよく挙げられる言葉です。
男性は今までの恋をそれぞれ「〇〇との恋」「△△との恋」といった風に別名で脳内に保存していくと言われています。
その一方で、女性は一つの記憶のファイルに自分の恋を上書き保存していき、新しい恋が始まるごとにそれまでの恋は上書きされて消えてしまうと言われています。
もう主人公のものではなくなってしまった「君」は、今までの恋を終わったものとして上書き保存で消してしまうのでしょう。
そうなったら、「君」と愛し合った時間を記憶しているのは主人公一人だけになってしまいます。
それまで確かにあったはずの記憶が無意味になってしまうようで、たまらない寂しさを感じているのでしょう。
君は他の人のものになって
君もいつかまた恋をして
その肩にキスをされて
その口で笑いかけて
その耳で愛の言葉を
その胸はその身体は
ここにあった愛しい愛しい心は
出典: サイレン/作詞:清水依与吏 作曲:清水依与吏
別れ話を告げられた直後で、まだ「君」への想いを捨て切れていない主人公。
そんな状態で「君」が新しい恋人を見つけ愛し合っていく様を考えるのは、かなり精神的に良くない想像ですね。
自分のものだったはずの、まだ愛している「君」の肩、笑顔、言葉、そして身体や心。
それが誰か別の男のものになっていくというのは、耐え難い苦痛でしょう。
しかし別れを告げられたショックの最中にいる主人公は、そんなネガティブな想像を止められません。
鳴り止まないサイレン
鳴り止まない胸のサイレン
もう君は僕のものでは無くて
積み上げた物も全部置き去りで
行ってしまえるんだね
鳴り止まない胸のサイレン
もう君は僕のものでは無くて
積み上げた物も全部置き去りで
行ってしまうんだね
出典: サイレン/作詞:清水依与吏 作曲:清水依与吏
くり返しのサビで終わる歌詞。
しかし「行ってしまえるんだね」という一節にだけ変化が見られます。
「行ってしまうんだね」という言い方とは違うこの言葉には、主人公から見て無情に思える「君」の行動を責めるような心情が表れていますね。
二人の思い出と「僕」を残して去っていく「君」。その姿を一人寂しく見送りながら、恨み言をこぼすのを我慢できなかったのでしょう。
後には寂しさと悲しさだけが残ります。
まとめ
「失恋ソングの帝王」という異名をもつback number。
「サイレン」も、そんな彼らの世界観が存分に発揮されたストレートな失恋の物語です。
しかしその歌詞には、終わった恋を思い出として振り返る切なさはありません。
置いていかれる、捨てられる側の惨めな気持ちややるせなさが生々しい言葉で描かれています。
そんな前のめりな失恋ソング「サイレン」、是非聴いてみてください。
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