back number「アップルパイ」

2004年に結成した back number が今や怒涛の人気を誇っています。そのボーカル清水依与吏さんが書いた「アップルパイ」には、どんなメーセージが込められているのでしょう。2015年1月にリリースされたシングル曲「ヒロイン」に収録されています。

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不器用だった思い出ソング

歌詞には「キスもハグも」なんて表現が出てくることから、もしかしたら学生の頃の懐かしい思い出がベースなのかもしれませんね。「永遠に君の事を閉じ込めてはおけないものか」と、とてもピュアなフレーズがあって切ない恋模様を感じさせます。 

もう恋人は愛想を尽かしている、と気づいてしまったかのようです。

冷め切った関係を何とかしたい

最近も良くカフェやデートスポットで学生同士のカップルを見かけますね。押しが弱い感じが何とも初々しいけど本人にしてみたら勝負かけてるぞ、という事がひしひしと伝わってきます。

表参道でクリスマスのイルミネーションが輝く中で、結婚式場を備えたカフェレストランにいた若い二人を思い出しちゃいます。

その時の雰囲気がこの曲とリンクします。「アップルパイ」の緩やかで気の抜けたメロディーが心地よくはまって、独特の清水さんの世界観って凄いと感じます。その倦怠感が歌詞にもちゃんと表れています。

そしてそれに続く、恋の「甘酸っぱい」味を思い出せない二人が描かれています。それでも強がって「秘密主義でクールな奴」になりたい願望が生々しく歌われています。

強い気持ちとは裏腹な若さ

また惚れられたいのか、女心をもてあそぶなんて出来もしないのに強がるところが、なんとも可愛げがあります。きっとクラスメートのイケメンとか、恋人の好きな俳優とかが脳裏に過ぎって羨んでしまうのかもしれません。 

表参道で見かけたカップルは、何とお勘定の際の「えっ、1万円・・・」みたいなお声が聞こえた際にはクールな奴には簡単にはなれないですよね、と同情しちゃいました。

歌詞に出てくる「逆さになって跳んではねたって、なにも持ってやしないよ」って、経済力を女性が求めてるんじゃないかとの疑心案義の末に出た男性の言葉なのかもしれませんね。

付き合い始めの彼女を忘れられない

次いで長いこと付き合ってると男が良くやってしまうのがこれなんです。「あなたには私がいなくちゃ駄目だからと微笑んだ」と恋人の過去の言葉にすがってしまいます。情けない男をしっかり書き込むところが back number 節です。

冴えない男子の応援歌

女性ファンが多そうですが、もちろんそれはルックス先行だったりがあるのかもしれません。考えてみると、実は冴えないモテない男の応援歌の要素が強いのが伝わってきます。そう、そんな冴えない私たちには、成す術がなく現状維持にかまけてしまうところってあります。

曲の中で「君の手は今日も同じ温度、それも悪くないんだそりゃちょっと寂しい気はするけれど」と、最初の濃密な関係から遠ざかって寂しさが溢れてきていながら、どうにも出来ない感が広がってきてたまりません。

恋人への甘え

さらにこの過去にすがる気持ちは、女性に対する甘えに変わってくるのかもしれません。そうなると女性は恋どころではなくなって愛想を尽かすものですよね。 

追い打ちをかけるかのように、愛情表現が「絶滅危惧」というくらいですから、本当に冷め切った関係が描かれています。

不器用で女心に気付けない