相手の態度や反応が変わってしまったことには、比較的すぐに気づけます。

難しいのは、「自分の方が変わったのではないか?」と考えることです。

1対1の関係では、自分を顧みることが特に難しいかもしれません。

無意識のうちに、人のせいにしていた方が楽だと考えてしまうからです。

しかし歌の主人公は、変わったのは自分の方かもしれないと考えています。

ここに、主人公の優しさ、謙虚さが表れています。

主人公は恋人のために手を尽くしていますが、報われることはありません。

去ってしまう恋人

KEITA【Y.E.S】歌詞の意味を徹底解説!どうすれば戻れるの?ただ「yes」と歌う心情を紐解く!の画像

いつどこで掛け違え 一つ余ったボタン

出典: Y.E.S/作詞:Keita Tachibana 作曲:Keita Tachibana・JUNE

2人がすれ違う様子を、ボタンの掛け違えにたとえています。

きっかけはささいなことだったかもしれません。

それが段々大きくなったのかもしれません。

原因を見つけることが難しいのも、やきもきする一因になるでしょう。

行き場ない またLonely night
あの頃に戻れるかな?

出典: Y.E.S/作詞:Keita Tachibana 作曲:Keita Tachibana・JUNE

主人公に本当に「行き場がない」のかは、歌詞からは断定できません。

同棲していた家を出されたのか。

あるいは、顔を合わせるのが辛くて家に帰れないのでしょうか。

またこの歌詞は具体的な場所ではなく、心の居場所を表す可能性もあります。

帰る家があっても安らげなければ、本当に気を緩めることは難しいからです。

しかし、主人公は希望を捨ててはいません

心を張り詰めながらも、やり直すきっかけを探しているようです。

壊れかけた人間関係を修復するのには、多大なエネルギーを必要とします。

そんな努力をいとわないくらい、恋人のことを大事に思っているのでしょう。

誰に「YES」と言う?

2つの意味にとれる歌詞

Just say yes, say yes, say yes

出典: Y.E.S/作詞:Keita Tachibana 作曲:Keita Tachibana・JUNE

上の歌詞は、直訳すると「ただ『イエス』と言って」というような意味です。

しかし、誰に対しての言葉なのかは考察するしかありません。

大きく2つの意味にとれるのではないかと思いました。

考察1 恋人に対する懇願である

1つ目の考察は、恋人に懇願する言葉という説。

恋人に変わらない気持ちを伝え、とどまってもらいたい心情です。

この考察の根拠にあるのは、プロポーズの言葉

英語圏では”Will you marry me?”と言ってプロポーズします。

この時「Yes」「No」で答えます。

この歌詞では、イエスの返事を求めているのではと考えました。

考察2 自分の気持ちを受け容れようとしている

2つ目の考察は、ベクトルが自分に向いています。

こちらの意味で考察すると、もう関係が終わった後の回想でしょうか。

主人公が、自分に対して「イエス」と繰り返している。

つまりは、自分を肯定しようとしている意味にも取れます。

生きていると様々な感情が起こるものです。

本来、その感情に「良い」「悪い」はありません。

私たちが勝手に善悪のレッテルを貼っているだけなのです。

怒りは暴走すれば荒々しくなるでしょう。

しかし、怒りをエネルギーに転化してますます努力する人もいます。

喜びもまた然りです。

人の不幸を喜んでいる人は、白い目で見られるかもしれません。

心温まる喜び方をしている人は、みんなからも祝福されるかもしれません。

すべての感情にはプラス面もマイナス面もあるのです。

一概に「怒りは駄目だ」「喜ぶことは良いことだ」とは言えません。

自分の抱えたどんな感情もまず肯定しようとすると、心が軽くなることがあります。

逆に怒りや悲しみを否定して押し込めると、長く引きずってしまうものです。

主人公は「イエス」と言い続け、自分を肯定しようとしているのではないでしょうか。

恋人のことが忘れられない自分。

もっとできることがあったかもしれないと思う自分。

上手くいかなかった自分。

そのようなすべての自分を肯定し、受け容れようとしているのでしょう。

時間がかかるかもしれません。

しかし、「あの経験ができて良かった」と思える日がくる可能性もあります。

忘れられないでいる