雨がそっと僕の頬
濡らして隠すCrying
止まらない 止めれない
出典: Y.E.S/作詞:Keita Tachibana 作曲:Keita Tachibana・JUNE
誰でも、あったことをすぐに忘れることはできません。
強い感情が起こったものほど、記憶と心に残ります。
歌の主人公も、まだすっかり気持ちを切り替えられたわけではないようです。
雨の中にたたずむシーンは、ドラマや映画でも使われることがあります。
涙を止めようにも、自分では止められないことが分かります。
次々に涙が溢れてくることから、まだ心の傷が癒えていないのでしょう。
涙は心の浄化
涙には、自律神経の働きを整える効果があると言われています。
泣くことで感情を解放するのが良いのでしょうか。
日本では「すぐ泣く」ことが悪いことのように言われることもあります。
ですが、涙も感情表現の1つです。
そして、感情に本来良い・悪いはありません。
涙を流すことも決して恥ずかしいことではないはずです。
傷ついた主人公
恋が世界を鮮やかに見せていた
滲みゆく世界を
君となら彩れるような
気がしていたんだ Is it wrong?
出典: Y.E.S/作詞:Keita Tachibana 作曲:Keita Tachibana・JUNE
恋をしている間は、世界が鮮やかな色に見えるものです。
歌詞から、主人公は恋人と出会う前に悲しみを抱えていたことを推測できます。
「滲む」という言葉は、涙が溢れそうになる表現にもなるからです。
悲しんでいる時に大好きな人に出会った。
そうなれば「この人となら上手くやっていけそう」と思うことが多いでしょう。
主人公は確かにそう思っていたのかもしれません。
しかし、「それは間違っていたの?」と自問しています。
自分が感じていたことさえ信じられないほど傷ついているようです。
楽しかった思い出が色あせる
But now you don’t like me
薄れ消えていくメモリー
虚しく響く 届かないメロディ
出典: Y.E.S/作詞:Keita Tachibana 作曲:Keita Tachibana・JUNE
「メモリー」とはずばり「記憶」「思い出」のことです。
ここでは恋人との楽しかったことをさしていると思われます。
大きな悲しみに見舞われると、その前にあった楽しいことを忘れそうになります。
完全に忘れるわけではなくても、取るに足らないことに感じられる時もあります。
渦中にいる主人公には、悲しいことしか見えなくなっているのでしょうか。
恋人に伝えたいことがあるようですが、届くことはありません。
くり返す自問自答
いつどこで掛け違え 一つ余ったボタン
行き場ない またLonely night
あの頃に戻れるかな?
Just say yes, say yes, say yes
出典: Y.E.S/作詞:Keita Tachibana 作曲:Keita Tachibana・JUNE
再び、同じ歌詞が続きます。
まるで主人公の心の中を見ているかのようです。
考え事の中で、何度も同じことを考えてしまう時があります。
特に、悲しいことを考えている時に堂々巡りしてしまうことも多いでしょう。
主人公も似たような状況ではないかと推察します。
恋人に思いを伝えようとする。
自分を肯定しようとする。
それでも寂しい気持ちが消えない。
それらが次々に思い浮かび、新しい考えに踏み出せないでいるのです。
主人公の気持ちが整理される時はくるのでしょうか。