秘密が秘密でいられない
あなたの笑顔も無意味でしょう
逃げ場なんて最初からなかった
こうなることを知っていたら
地獄をくぐって逃げたでしょう
今もそっと溶け出す命とか
出典: ヒミツ/作詞:雫 作曲:雫
「秘密」であるはずの情報が「秘密」でなくなってしまう…。
これはスマホから「知られるはずのない情報」が漏えいしている状況のことではないでしょうか。
どんどん追い詰められていく女性。
それに対して「もう逃げ場はないよ」と言っているかのようです。
もしこんな事件が起こると事前に知っていたのなら…。
「どんな手を使ってでも対策を取ったでしょう」と歌詞では表現されています。
「地獄」という言葉が生々しいですね。
つまり、「地獄」を味わってでも回避したい「絶望的な状況」であることがうかがえます。
最後の行では「命の危険」を示唆しているようです。
パニック状態に
夢か現実かさえもう
私に判断できないの
黒い長髪を引く両手さえ見えなくて
出典: ヒミツ/作詞:雫 作曲:雫
「黒い長髪」は映画で登場するキーワード。
殺人鬼は「黒い長髪」という特徴を持った女性を殺人のターゲットにしているのです。
「髪」を引いているのは殺人鬼。
後ろからグイグイと髪を引っ張るように手繰り寄せているのでしょう。
恐ろしい比喩です。
渦中にいる女性はパニック状態になり、現実かどうかの区別すらつかなくなっています。
こんなはずじゃなかった
現実から逃れたい
逃げられない
内緒の砂漠でそっと踊りましょう
もう一回あの日に戻れたら
後ろの正面が誰だか
ああ魔法をかけてよ 声が枯れてゆく
もう見えない何もかも
きっと人肌の疑惑が溢れ出す
開けてしまったって気付いたの
出典: ヒミツ/作詞:雫 作曲:雫
スマホを拾った「誰か」に追い詰められるストーリー。
女性からすると、見えない敵にどこから狙われているか分かりません。
恐怖のどん底でしょう。
最後の「開けてしまった」は「誰かがスマホのデータを見てしまった」という意味だと思います。
誰も知るはずのない情報が次々と突きつけられる…。
平穏だったあの頃に戻りたい。
全てから逃れてしまいたい…そう思っているのではないでしょうか。
幸せになるはずだったのに
堂々巡っている走馬灯
あなたが笑って手を引いて
連れ出してくれると思ってた
出典: ヒミツ/作詞:雫 作曲:雫
「あなた」とは婚約者の事でしょうか?
結婚して幸せになるはずだったのに、2人の関係性は何者かにことごとく引き裂かれてしまいます。
幸せな未来が待っているはずだった。
あなたと一緒に生きるはずだった。
なのに、今はこんなに辛い現実を味わっている。
そんな心の叫びが込められているのではないでしょうか。
「秘密」が「秘密」でなくなったとき
本当に分かり合えているのか
さよならしたいと願うときに限って
痛いくらいにあなたの顔が浮かぶ
知ってるようで知らない 何も
足取りがおぼつかない
出典: ヒミツ/作詞:雫 作曲:雫
映画に出てくるテーマの中で特に興味深いものがあります。
「あなたの全てを知っている存在、それはスマホです。」
家族同士や恋人同士、何もかも分かり合えているつもりでいても、それって本当でしょうか?
借金問題、浮気、犯罪…。
分かり合っているつもりなのに真実を突き付けられ「裏切り」を感じることだってあるはず。
そうなると、案外スマホの方が家族や恋人以上に様々な事を知っているのかもしれません。
これを歌詞では「知らない」と表現しているのです。
信頼している「あなた」の事を私は全て「知っている」わけではない。
自分の誰にも知られたくない事実が公開されると同時に、あなたの事実も見せつけられる。
心の支えが無くなっていく様子が読み取れます。