「薄紅」のミュージックビデオには、2人の男女が登場します。
ミュージックビデオの冒頭部分。まだ花の咲かない桜の木の前で、男女が顔を合わせます。
2人はそれぞれ手鏡を持っていて、お互いの表情を鏡に映しています。
その表情は浮かないもの。
しかし歌が始まると景色が一変。
シンプルな背景に立つ2人の間には、演奏するLACCO TOWERのメンバーが。
まるで別々の方向に進む男女の間に立つ桜の木を、LACCO TOWERが示唆しているように見えます。
LACCO TOWERの前で言葉を交わす2人は明るい表情に。
桜の木の前で魅せた表情が本心だとしたら、明るい表情の2人はお互い強がっているようにも思えます。
お互いを想いあっているからこそ、なるべく笑顔で別れたいと思っているのでしょう。
そんな男女の切ない距離感を、ミュージックビデオで表現していると考えられます。
舞い散る花びら
「薄紅」のミュージックビデオを印象付けるのは、やはり舞い散る花びら。
歌詞にも出てくる「花びらの雨」をミュージックビデオでも再現しています。
ラストのサビの前、LACCO TOWERのメンバーの上から花びらが降ってくる演出が。
本心をあらわにしたような切なげな表情を浮かべる男女の上にも、花びらは降りそそぎます。
まるで画面を埋め尽くすかのように舞い踊る花びらが、「薄紅」の世界観を表現しているかのようです。
ぜひフルサイズのミュージックビデオで花びらの演出をチェックしてみてください!
字幕での表現
「薄紅」のミュージックビデオでは、歌詞は縦書きの字幕で表示されます。
縦書きにすると、どことなく和風に感じませんか?
日本語は通常、縦書きで表記されることが多い言語。
昔の書物、日本語の小説、漫画のセリフなども縦書きですよね。
歌詞を縦書きで表示することで、「薄紅」の持つ和の雰囲気を表しているように見えます。
また、ミュージックビデオのラストでは、桜の花を起点に右と左に分かれる男女の姿が。
2人が去った後には、「薄紅」の歌詞の一節が残されます。
こうした文字をうまく使った演出も、「薄紅」のミュージックビデオの見どころのひとつです。
「ドラゴンボール超」のED映像ともリンク
「ドラゴンボール超」でも、「薄紅」の世界観を映像で見事に表現しました。
悟空たちの後ろ姿に、桜の花びらが舞います。
AメロとBメロでは画面を二分割にし、歌詞にもある「右」と「左」を表現。
サビの「染まれ」という歌詞では、テロップを一言ずつメロディーに合わせて表示する演出が。
曲の終盤、花びらがぶわっと舞い上がり悟空がこちらを振り向く場面があります。
「薄紅」と映像の見事なシンクロに、初めて見たときは鳥肌が立ちました。
「薄紅」の歌詞を紹介!
「薄紅」は歌詞にもストーリー性があり、とても心に残る曲。
そんな「薄紅」の歌詞を紹介します!
右と左に分かれる男女
さようならあなた 薄紅の空の下
私は右 あなたは左に
出典: 薄紅/作詞:松川ケイスケ 作曲:LACCO TOWER
「右」と「左」という対照的な言葉を使っているAメロの歌詞。
これから別々の方向に進んでいく2人を示唆しています。
「薄紅の空」という言葉から、季節は桜の咲く頃なのかな、と想像できますね。
「大好きよ あなたを忘れない」
言葉は 出る前に 心で 死んじゃうけど
出典: 薄紅/作詞:松川ケイスケ 作曲:LACCO TOWER
女性が心に秘めた想いが、歌詞になっています。
本当は口に出して伝えたいけど、それを伝えることができない。
そんな女性のもどかしさや寂しさが感じられるフレーズです。
二人を塞ぐ 花びらの雨
ひらり 鳴り響く音(メロディー)
せめてあなたが 隠れるくらい
薄紅染まれ染まれ
出典: 薄紅/作詞:松川ケイスケ 作曲:LACCO TOWER
2人の間に、雨のように花びらが降りそそぎます。
「あなた」の姿が見えなくなるくらい降ればいいのに。
そう思っているのは、きっと女性だけではないでしょう。
別れがつらいから、いっそのこと花びらでお互いの姿が見えなくなればいい。
そんな風に、男性も思っているに違いありません。